山崎正和氏(wiki)は2020.8.19に逝去されました。1934年生まれなので我々とはほぼ同年配。月刊「潮」ずいひつ波音の執筆者で森は毎月読んでいました。「室町記(朝日選書)」が古き愛蔵書です。今日(9/6)の公明新聞(日刊)に五百旗頭真氏(wiki)の追悼文が載ったので、転載します。また、サントリー文化財団 鳥井信吾理事⾧の追悼文も掲載させて頂きます。
公明新聞2020.9.6日曜電子版より転載
サントリー文化財団(理事長コメント)2020年08月21日
山崎正和氏ご逝去にあたって
サントリー文化財団 理事⾧ 鳥井信吾
山崎正和先生逝去の報に接し、心から哀悼の意を捧げます。
日本を代表する知の巨人である先生のご逝去は、新型コロナウイルスによる混乱を乗り越えるために多くの英知が必要となるさなかのことでもあり、誠に残念でなりません。
サントリー文化財団は昭和54年の設立以来、先生が構想された先見性に富んだプログラムを通じて、多くの若い研究者を支援してまいりました。今、そういった研究者の方々が社会の第一線で活躍されています。先生は、いつも将来を担う若い方たちとの議論を楽しまれ、その成⾧を温かく見守っておられました。
まだまだその慧眼に触れ、示唆に富んだお言葉を盃を交わしながらお伺いしたかった。これからも、先生の遺志を引き継ぎ、日本と社会に貢献していく道を探っていきたいと思います。
今はただご冥福をお祈りするとともに、本当にお疲れさまでした、永い間ありがとうございました、と申し上げます。
以上
公益財団法人サントリー文化財団 2020.8.21
【訃報】 山崎正和氏逝去のお知らせ
山崎正和氏(公益財団法人サントリー文化財団 特別顧問)が、8 月 19 日、 悪性中皮腫のためご逝去されました(享年 87 歳)。
※享年は数え年。 なお、葬儀等は近親者のみで執り行いました。
また、お別れの会等の開催に ついては未定です。
▼山崎正和氏プロフィール
【略歴】 1934 年生まれ。劇作家。大阪大学名誉教授。日本藝術院会員。文化勲章受章者。 京都大学大学院文学研究科美学美術史専攻博士課程修了。 関西大学教授、大阪大学教授、東亜大学学長などを歴任。 1963 年『世阿彌』を発表し新劇岸田戯曲賞を受賞。 その後も『オイディプス昇天』(戯曲)、『鷗外 闘う家長』『柔らかい個人主義の誕生』 『リズムの哲学ノート』(評論)などを発表、受賞多数。 サントリー文化財団理事(1979 年(設立時)~2014 年)、同副理事長(2010 年~2014 年)
【主な著書】
<戯曲>
『世阿彌』(河出書房新社)
『オイディプス昇天』(福武書店)
『山崎正和全戯曲』(河出書房新社)
<評論>
『鷗外 闘う家長』(河出書房新社)
『演技する精神』(中央公論社)
『柔らかい個人主義の誕生』(中央公論社)
『社交する人間』(中央公論新社)
『装飾とデザイン』(中央公論新社)
『世界文明史の試み』(中央公論新社)
『リズムの哲学ノート』(中央公論新社)
<オーラルヒストリー>
『舞台をまわす、舞台がまわる 山崎正和オーラルヒストリー』 (御厨貴、阿川尚之、苅部直、牧原出編、中央公論新社)
▼この件のお問合せ先 公益財団法人サントリー文化財団 TEL: 06-6342-6221
以 上
なお、
①山崎正和氏の公明新聞への寄稿文(2014年11月11日(火)付)と
②五百旗頭真氏の2015.8.21(金)講演要旨も、下記に転載します。
① ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
②~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
公明新聞:2015年8月21日(金)付
五百旗頭真氏「安全保障政策」講演会(要旨)
熊本県立大学理事長、神戸大学名誉教授、前防衛大学校長(2015.8現在)
公明党の安全保障法制に関する検討委員会(委員長=北側一雄副代表)は20日、衆院第2議員会館で会合を開き、熊本県立大学の五百旗頭真理事長(神戸大学名誉教授、前防衛大学校長)が、安全保障政策に関して講演した。これには、山口那津男代表、井上義久幹事長をはじめ、多数の衆参国会議員が出席した。
五百旗頭氏は、飛鳥時代の白村江の戦いで唐と新羅の連合軍に大敗したことや、豊臣秀吉の朝鮮出兵などの歴史に触れ、「日本は愚行の後、懸命に相手に学び躍進した」と指摘。第2次世界大戦後は、戦前の「力の体系」重視を改め「利益の体系」を重視して経済大国になっただけでなく、平和という「価値の体系」を育み、青年海外協力隊や政府開発援助(ODA)を中心として世界から高い評価を得てきた事実を強調した。
その上で、冷戦後の安全保障環境の急速な変化に言及。平和外交の重要性を強調した上で、国会で審議中の平和安全法制の必要性を訴えた。
このうち、国際社会の安全について五百旗頭氏は、「日本は世界の安全保障に貢献するべきではないか」と主張。これまで特別措置法で実施してきた、国連決議に基づいて活動中の外国軍隊への後方支援に関し、国際法上の正当性がある場合に限り、日本ならではの貢献を進める国際平和支援法案を高く評価した。
一方、日本の安全については、自衛隊が防衛のための一定の拒否力しか持たない事実を示した上で、「抑止力として重要なのが日米同盟」だと力説。「アメリカとの同盟関係がしっかりしていると日本には手が出しにくい」と指摘した。
また、集団的自衛権の限定行使を容認した解釈変更について、日本の存立に関わる部分に限定されており、「それをしっかり守っていれば問題ない」と説明。「米国の戦争に付いていくことを容認したわけでは全くない」と訴えた。
さらに五百旗頭氏は、「大きく見れば国際安全保障へ日本が参画しないといけない」と強調。その上で、「今後、わが国の安全、国益をしっかり踏まえ、良い判断をすることが課題。公明党に期待する」と求めた。
一方、東日本大震災復興構想会議の議長を務めた五百旗頭氏は、被災地の復興に向けた公明党のリーダーシップに感謝を語った。