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京都のリサイクル推進の問題点。
①採算性の問題 全面的資源安によりスクラップ価格が低迷、家電リサイクルシステムや小家電回収システムの参入企業の損益計算の仮想単価が揺らぎ、存続>拡大に影を落とす。プラスチックにおいては、専業プラントはなく、産廃系スクラップ系の企業が別部門として売買、輸出をしている状況。
②流通の法規制 たとえばペットボトルを産業廃棄物と規定する自治体が多いため、スーパーなどで納品トラックの帰り便で回収センターにはこぶ場合、運搬免許にくわえて産業廃棄物収集運搬免許が必要となるなど障害が多い
③国内市場の縮小化 企業のリデュース推進による小型化、共通部品仕様の導入による製品くずの減少やIT社会発展の中ペーパーレストレンドの進行にみられるようにリサイクルの需給シュリンクが予想され、海外輸出さらにはプラントごと技術移転等に活路を見出さなければならない。
④リサイクルの定義のあいまいさ 環境用語では「リサイクル」は「再資源化」することで産業廃棄物である木くずやウレタンフォームもリサイクル品である。経済用語では有価物(廃棄物の反対語)がリサイクル品で、リユース品も一般的にはリサイクル品と言われる。公報やマスコミ報道でもこれらがごっちゃに使われていて、環境問題の啓蒙上あいまいさを残し、理解が得られない一面がある。
京都の産業廃棄物処理業者の収益構造と方向性。
基本は運搬料と廃棄物処分料および選別した再生材料の売却益が収入となります。産業廃棄物の量と件数については減少気味で、競合が激化し、価格は下振れ傾向。他方、リサイクル材卸は、世界的な資源安の長期化からスクラップ価格も低迷、業界業種として縮小化がすすむ。直接、金属・プラスチック・紙等リサイクル工場に投資するところや、製品部品リユース(国内・輸出)、環境設備ソリューションビジネスに活路を探る企業もあり。また、従来は行政地域内での処理、同業内での請負禁止といった規模拡大による効率化>コスト削減が困難だったが徐々に規制緩和が進む方向にある。
京都の非鉄スクラップ業者の課題と方向性。
銅スクラップを取り巻く環境は過渡期を迎えている。流通面では既存原料問屋と海外勢との間で競争激化が進んでおり、需要面ではメーカーの再編が進んでいる。貿易面では、雑品輸出に対する監視が強まる一方で、廃基板類など、Eスクラップの輸入促進がはかられている。銅スクラップ流通業界の先行きは不透明感が強いが、確かなことは、生き残るためには変化にいち早く適応する必要があるということだ。流通統合・ニッチ市場開拓に拠る利益率確保、環境省の貿易規制及び促進策への迅速な対応、鉄・非鉄・雑品の取り扱いバランスの適正化等が考えられている。
京都の家電電化製品廃棄業者の課題。
①国内の規制への対応 家電リサイクル法、小家電法をはじめとする環境省・経済産業省の指導に対応した流通 ②貿易規制 環境省令、バーゼル条約、輸出先税関の指導に対応した流通 ③雑品レートの変動に対応したリユース市場の開拓(製造5年以内の製品等)
①スクラップ価格押さえ込み圧力 資源安継続、金属産業大型化による交渉力増強
②関税リスク 国策による爆買いを抑制するためのぜいたく品関税大幅引き上げ等
③法令リスク バーゼル条約に伴う禁輸措置。廃棄物・有価物の判断基準のやりとり。
④総合的カントリーリスク 国内需要の将来的漸減と新興国需要の漸増が予測される中、当然至極輸出比率が増えていくわけですが、政情不安の問題は払しょくされる可能性はほとんどなく、ますますスクラップ相場は不安定感を増すと考えられる。ケースとしては、かつての北朝鮮国交断絶に拠る自転車スクラップ(リユース)輸出停止>舞鶴港を拠点とした京都の同業者壊滅といった事態も考えられる。
環境ビジネスに係るトピックス
'20 東京オリンピックに向けての宿泊施設拡充(6000室不足)とインフラ整備がチャンス!
2020年の東京オリンピック時はかなりの割合で京都に観光に訪れると予想され、6000室が不足するといわれており、国もいわば特区扱いで規制緩和により施設拡充を促進する意向です。その後の観光客の動向を考えると、大型投資よりもむしろリフォーム型が増えると考えられるので、実情に合った産廃リサイクル回収の提案が必要になるでしょう。
環境投資が大手メーカーの必須課題となっています
トヨタには「もっといいクルマづくり」という定性的な目標もあるが、持続的な成長を測る指標の1つとして「2050年に二酸化炭素(CO2)排出ゼロ」という環境目標がある。既に日産自動車やホンダ、ソニー、リコーなども環境の長期目標を策定している。多くの企業が長期目標を掲げる背景には外圧がある。1つは、国際的な温暖化ガス削減目標だ。
15年に採択されたパリ協定では、20年以降の地球温暖化対策の新たな枠組みを定めた。産業革命前からの世界の気温上昇を2度未満にすることを目的とし、さらに1.5度以内に抑える努力を各国に求めた。その科学的な根拠は、13~14年に発行された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書だ。将来の温暖化が地球に及ぼしかねない被害を指摘し、長期の排出削減シナリオを例示した。世界で事業を展開する企業はパリ協定やIPCC報告書への対応が求められている。
環境産業市場、初の100兆円規模 14年
環境省は2014年の国内の環境関連産業の市場規模が約105兆4133億円(前年比1.3%増)と、統計をとり始めた00年以降初めて100兆円規模になったとする推計をまとめた。雇用者数も約256万人と過去最多になった。環境省は電力の固定価格買い取り制度によって、再生可能エネルギー産業が急成長したことが貢献したと分析している。市場規模は00年の58兆円と比べると約2倍に拡大した。地球温暖化対策の新枠組みの「パリ協定」が採択されたことを受け、今後も市場拡大が続くとみられる。分野別にみると、ペットボトルのリサイクルなどの廃棄物処理・資源有効利用が約45兆円と最も市場規模が大きかったが、13年よりもわずかに減少した。次いで、太陽光・風力発電などの再生エネや発光ダイオード(LED)などの省エネの関連製品を含む地球温暖化対策が約37兆円だった。温暖化対策分野の雇用規模は約59万人で、00年の5倍強になった。太陽光パネルの設置工事などに関わる雇用が増えた。
IoT導入が清掃・産廃業界でも進行 多量のごみ箱の満杯率をインターネット管理することに拠る人件費の削減等が大型娯楽施設で試運転されており、今後産廃コンテナ等にも導入されることが期待されています。
.150社が導入「社内炭素価格」 投資判断の物差しに 仮想的に二酸化炭素(CO2)の排出に価格を付ける社内炭素価格。登場したのは2010年ごろとされ、その後、世界銀行などが提唱し始めた。英CDPが2015年に発行した報告書によれば、世界で150社以上が導入している。 CO2に炭素税が課されていると仮定し、事業や設備投資を検討する際に仮の税額を把握することで、より低炭素な事業や設備の採用に誘導する仕組み。環境部主導で価格を設定し、経営者や事業部が投資判断などに生かすのが一般的だ。将来、導入されるかもしれないCO2規制が、事業にどのような負担をもたらすかを評価するリスクマネジメントにも利用する。 ユニークな使い方をしているのが米マイクロソフトだ。同社は2012年、各部門のCO2排出量に応じて実際に課金する社内炭素価格制度を導入した。2015年の炭素価格は1t(トン)当たり4.4ドル(当時の換算レートで約530円)。各部門が支払った金額を基金として再生可能エネルギー電力を100億kWh購入し、750万tのCO2を削減した。
京都の産業廃棄物減量化相談窓口(3R/reduce,reuse,recycle) 京都府 3R支援センター
パリ協定批准すすむ>先進国のみならず途上国にも達成義務を課した20年以降の環境規制枠組み
世界共通の長期目標として、平均気温を2度削減する目標のみでなく、1.5度減以内にすることへの言及
主要排出国を含むすべての国が削減目標を5年ごとに見直し・提出する。さらなる目標設定を実施する。
市場メカニズムの活用が位置づけられたこと
森林等の吸収源の保全・強化の重要性、途上国の森林減少・劣化からの排出を抑制する仕組み
適応の長期目標の設定及び各国の適応計画プロセスと行動の実施を行い、人間活動による温室効果ガスを実質的に排出しないこと(カーボンニュートラル)
先進国が引き続き資金を提供することの義務化と並んで途上国も自主的に資金を提供すること
イノベーションの重要性が位置づけられたこと
5年ごとに世界全体の状況を把握する仕組み
協定の発効要件に国数及び排出量を用いるとしたこと
「仙台防災枠組」への言及
日本企業、ビジネスモデル転換が不可欠 >パリ協定4日発効
日本企業は省エネ技術に優れているといわれてきた。だがパリ協定は低炭素ではなく脱炭素社会の実現を企業に要請する。これまでの技術やサービスの延長線上では世界で取り残される。日本企業はビジネスモデルの転換が求められる。「2年間実証して、エネルギー収支がゼロのビルは実現可能だとわかった」。大成建設の今酒誠環境本部長は、横浜市内に建てた実験ビルに手応えを感じている。地上3階建てのビルは「ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」と呼ばれる。断熱性や通気性など高めた建屋の設計でエネルギー消費量を従来より75%削減。必要なエネルギーは建屋壁面につけた薄膜太陽光発電設備などで賄うことで、外部調達するエネルギーは年間通じてゼロを実証できた。太陽光発電だけで必要な電力は確保できるため、温暖化ガス排出量もゼロだ。20年にはZEB市場が本格的に立ち上がるとみて実用開発を急ぐ。パリ協定は温暖化ガス排出量の実質ゼロを目標としている。「炭素を出さない新たな経済社会システムの実現を定めた条約だ」。世界の温暖化問題に詳しいNPO気候ネットワークの平田仁子理事は語る。企業は事業活動や製品で排出ゼロに向けた知恵が求められる。パリ協定が早期発効したことで「自動車の燃費基準はより強化されるだろう」。日産自動車の川口均専務執行役員は身構える。電気自動車(EV)販売で先行する同社だが「危機感を持って(排ガスゼロの)ゼロエミッション車の開発を加速させたい」(川口専務)。米カリフォルニア州は自動車メーカーに販売車の一定比率以上をエコカーと定める環境規制で17年秋以降、ハイブリッド車がエコカーとみなされなくなる。パリ協定を前倒しするような規制強化が世界で始まっている。世界の潮流をにらみ、トヨタ自動車は50年までにエンジンだけで走る車をほぼゼロとする目標を定めた。グローバル企業はこれまでの技術やノウハウに固執しない挑戦に動き出している。だが危機感を持って挑戦する企業は日本はまだ少ない。運用総額100兆ドルを超える世界の有力機関投資家の支援で企業の温暖化対策を調査する国際NPO、英CDP。16年の調査で日本企業の回答率は53%と、65%前後の欧米より低かった。特に、国内温暖化ガス排出量の4割を占める電力業界は、対象10社で回答したのが東京電力ホールディングスだけだった。パリ協定の発効で、世界の投資家の注目を集めている調査だが「日本企業は対応がまだ二極化している」(英CDPの森沢充世ジャパンディレクター)。世界では温暖化対策は経営問題として取り組み始めている。日本企業は意識改革が求められる。