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投稿日: Dec 01, 2016 7:37:22 PM
人口減少が進む日本で、アパートやマンションの大家が急増するという不思議な現象が起きている。昨年の相続税改正で節税目的の建築が増えているのに加え、貸出難の地方銀行がアパマン融資に力を入れていることが背景にある。多額の資金を投じて建てたものの、供給過剰で空室が増え、家賃引き下げに頭を抱える大家も少なくない。 国土交通省によると、住宅着工戸数は貸家が9月まで11カ月連続で増加。前年同月比の伸び率は12.6%と、持ち家(1.4%)を上回った。調査会社タスによると、アパートの空室率は少なくとも13年以降は30%前後で推移していたが、昨夏から悪化し始め、今年9月時点では神奈川県37%、東京23区と千葉県が35%に達している。
タスの新事業開発部長、藤井和之氏は「相続税対策目的のアパート新築が影響している可能性がある」と述べた。資産を現金で保有するよりも、土地・建物の方が相続税の課税評価額が低く、アパート経営には節税効果がある。15年の税改正で課税対象者が広がったり、税額も増えたことで、アパート経営やマンション購入の動きに拍車が掛かった。国税庁の発表では、15年の大家の数(不動産所得申告者数)は3年連続増加の326万人。3年間で約3万7000人増えた。
建築費の高騰、貸出金利の上昇あるいは賃貸需給バランスの極端な悪化等により一気に破裂する危険は十分にあり、注視する必要がある。