光害への取り組みとは?

投稿日: Mar 03, 2016 7:17:14 PM

環境庁(当時)が1998年に策定した「光害対策ガイドライン」によると、60年代以降、世界各地の都市化による大気汚染と屋外照明の増加によって天文観測に支障が出ることが問題になり、「Light Pollution」の言葉が生まれた。日本でも「光害」という言葉が使われ始めた。 影響は、星空の見えにくさにとどまらない。IDA東京支部代表の越智信彰・東洋大准教授によると、街灯に虫が集まることで、その虫が本来いる場所から居なくなり、その虫を食べる動物の行動パターンにも影響する。渡り鳥は星や月の明るさを頼りに方向を判断するため、ビルやサーチライトの光で迷子になってしまう。街灯のあたる水田では、イネの発育にムラが出ることも分かっている。

人にも影響がある。まぶしすぎる街灯や照明は交通事故や睡眠障害につながる。無駄な光は省エネにも反する。

ただ、夜間の安全や安心に適度な照明は不可欠だ。越智さんは「光を必要な方向に、必要な明るさで、必要な時間だけ使うことが重要」という。