2018/3/2press 再エネ、リサイクル… 和歌山県有田川町のプロジェクトがスゴイ!

投稿日: Mar 02, 2018 7:52:16 AM

和歌山県有田川町は2月28日、同町で推進している「有田川エコプロジェクト」が自立した地域づくりを目指す官民連携の取り組みとして各界から評価されていると発表した。このプロジェクトは、環境と経済を両立したエコなまちづくりを目指すもの。その主な取り組みは「ごみ分別徹底・資源化」と「再生可能エネルギー導入促進」だ。これらの取り組みは、新エネ大賞(NEF)や環境省のグッドライフアワード、プラチナ大賞(プラチナ構想NW)など各種表彰を受けた他、まち全体も、経済産業省資源エネルギー庁の「次世代エネルギーパーク」として認定されるなど、プロジェクトは結実期を迎えている。利益を生むための取り組みを推進

同プロジェクトは循環型で持続可能なまちづくりに貢献するもので、おもな取り組みとその成果は次の通り。まず「ごみ分別徹底・資源化」では、住民の徹底したごみ分別と自治会のゴミステーション管理により、高品質の資源ごみが排出されている。その結果、資源ごみ収集運搬処理業務はマイナス入札の状態になっている。また「再生可能エネルギー導入促進」では、公共施設を利用した太陽光発電設備の設置や、町営小水力発電所の建設などを行っている。それにより、年間約5000万円の収入が得られているという。

得られた収入は住民のエコ活動に還元

同プロジェクトにより得られた収入は、住民向けの太陽光発電・太陽熱温水器設置補助や生ごみを堆肥化するコンポスト容器の無償貸与制度の原資として活用。その結果、循環型社会を目指しつつ、その仕組み自体も循環型とすることができるようになった。加えてその仕組は、ごみ分別に取り組む地元住民への還元制度としても機能している。この他にも、売電に頼らず防災要素も兼ね備えたオフグリッド型(送電系統と繋がっていない電力システム)の発電設備設置や、住民のエコな暮らし定着を目指すイベントとして「有田川エコフェスタ」を年に一度開催するなど、ソフト・ハード事業両面からエコなまちづくりの深化を目指している。

きっかけは県営ダム利用の小水力発電事業の提案

同プロジェクトは、同町職員から県営二川ダムの維持放流水を利用した小水力発電事業を中心とする取り組みが提案されたことを発端に、2009年度より開始された。なお、県営多目的ダムの維持放流水を町が利用した発電所は、全国で初めてという。