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投稿日: Oct 04, 2010 10:51:43 PM
司馬遼太郎氏の作品は、時代の英雄を扱った中長編ものが多いのですが、岡田以蔵を主人公にした「人斬り以蔵」は薄っぺらくて徹底的に主人公を批判した小説です。
以蔵は、武市半平太の用心棒のような身分で京都に出てきたわけですが、いわゆる権謀術数には全く関与せず、敵を斬って斬って斬りまくり、さらには請負殺人までやり、
たまに性欲を満たしていた非常に単純明快な剣士であったと描かれています。
司馬氏は、彼の言動・振る舞いを取り上げて粗暴で無知で下品で、畜生のような人間であったとこき下ろしていますが、小説にするところをみると結構気になる存在なのでしょう。映画、テレビでもけっこう男前の役者が演じて根強い人気を博しています。
かえって、何の能力もないのに、尊王攘夷にかぶれて犬死していった浪士よりも、一本筋の通った生き方だったのかもしれません。