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投稿日: Mar 02, 2018 12:12:33 AM
NEC(東京都港区)と日本気象協会(東京都豊島区)は、多様な業種・業界における製造、卸・物流、販売のバリューチェーン(価値連鎖)全体で需給を最適化するビジネスで協業すると発表した。需要予測結果や在庫情報、販売実績を共有・最適化
同ビジネスでは、バリューチェーンを構成する企業のデータを相互活用し、AIにより予測精度を向上させる。それにより製造企業の在庫・生産の適正化や、卸・物流企業の在庫の最適化・リソースの効率化、販売企業の発注の適正化など、バリューチェーン全体の最適化を図る。同ビジネスには、NECのデータ流通基盤「需給最適化プラットフォーム」を用い、2018年7月から提供を開始する。この基盤はAIを活用したもので、異種混合学習エンジンにより高解釈な予測を自動構築するもの。NECは同基盤の特徴として、分析精度を高めるコーザルデータ(販売に影響を与える要因の情報)の提供、安全なデータ連携が可能な環境を提供することを挙げている。
食のバリューチェーンに適用
今回、この第一弾として、食品ロス・廃棄の解決に向け、同基盤を食のバリューチェーンに適用する。NECのAI技術群を活用した需要予測結果や在庫情報、販売実績をユーザ企業と共有することで、個々の企業だけでなくバリューチェーン全体の需給を最適化し、社会課題である食品ロス・廃棄の解決に貢献する。一方、日本気象協会は、商品需要予測に関するコンサルティング実績を背景に、同基盤におけるデータ解析の基礎となる気象データの提供や、それらを活用した商品需要予測サービスの提供を共に推進していく。なお、同基盤の更なる精度向上に向け、両者は2018年1月から飲料の需給最適化を行う実証実験を実施している。このような実証実験を通じて、将来的には、日本気象協会が持つ気象データやデータ解析技術とNECのAI技術を用いて、需要予測から需給計画、生産計画、発注計画、在庫配置などの業務システムとの連携を見据えたシステムの構築も検討していく。
「需給最適化プラットフォーム」を活用したサービスを展開
製品・サービスがつくられて消費者のもとへ届くまでの一連の流れの中には、バリューチェーンを形成する各企業がそれぞれの価値を積み重ねて連鎖している。そのため、これらの社会問題に対して、単独の企業だけでバリューチェーン全体の効率化や最適化を行うことは難しく、企業間の密接な連携と情報環境やさまざまな業界をつなぎ、企業間での共創活動を加速させ、バリューチェーン・イノベーションを実現させていくことが必要とされている。「需給最適化プラットフォーム」を活用したメニューでは、初期リリースとして、食品製造向けに直近の食品製造企業の出荷量を予測するサービスや、小売店向けに日別来店客数、カテゴリ別販売数を予測するサービスなどを提供し、順次サービスを増やしていく予定だ。