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投稿日: Aug 18, 2010 9:29:26 PM
司馬遼太郎氏の面白いところは、時代の英雄だけでなく、敵方の敗戦後の生きざまについても、尊敬の念をもって詳しく描いているところにあります。
そのなかで、私が気に入っているのが、一乗寺でさんざん評判を落とし、もはや門下生は去り、大名の顧問としての道も閉ざされた吉岡家の生きざまです。
ふつうは、とんでもない旅の無頼漢に一家を壊滅させられたのですから、遺恨をいだき、新たな逸材を育てて仇を討つことを生きがいに、悲壮な人生をおくる
というのが「サムライ」のパターンだと思うのですが、吉岡家当主はなんと、刀を捨てて、染物屋(紺)のエキスパートを目指し、1代でその名を全国区にしたそうです。
武道には、紺の生地がつきものですし関連性はあるのですが、いままで「先生!師範!」と呼ばれていたのが「大将!おやっさん!」と変わるわけで、
史実なのかあるいは創作なのかはべつにして、尊敬に値するエピソードだと思います。