越薫(淵薫文字)
淵薫の表記に用いられる越薫(Wētis Kūnukūnoy)は、以下に示す59字(子音字38字、母音字10字、合字11字)からなる。
また、下の画像には主な記号16種も載せた。
越薫はアルファベットと同様に、左から右に横書きされる。
原則として等幅(約物はその半分の幅)で書かれ、分かち書きはしない。
例: saqeh xizom tawbas.(林檎が木から落ちた。)
母音の長短
子音字は一つの音に対して、弱子音字と強子音字の二つが存在する。
上の画像においては、代替表記の真下に書かれている方が弱子音字、その右に書かれているのが強子音字である。
弱子音字は単母音や重母音が後続するとき、強子音字は長母音や長重母音が後続するときに用いられる。
つまり、母音の長短の区別は母音字ではなく、子音字が担っている。
母音で始まる音節
母音で始まる音節を表記する場合は、母音字の前に、子音がないことを表すゼロ子音字を書かなければならない。
ゼロ子音字は始めに示した文字一覧表において、子音字の最後(5行目の最後)に「Ø」として示した二文字である。
ゼロ子音字にも強弱があり、短母音や重母音を表す場合と長母音や長重母音を表す場合とで使い分ける。
なお、代替表記ではwu-やyi-のようにwやyを加えて書かれる音節も、越薫ではwやyの代わりにゼロ子音字を使う。
末子音
代替表記とは異なり、末子音専用の文字はない。
したがって、末子音は閉じる前の子音(弱子音字)をそのまま書く。
つまり、ac(親)は「akr」、tuyc(布)は「tuyz」、sup(境)は「supr」、sav(林檎)は「saq」のように書く。
特徴母音
越薫では特徴母音を直接表記しない。
特徴母音が付く子音を強子音字で表記することによって、その子音に特徴母音が付くことを示す。
畳音記号
畳音記号は複数や反復を表す畳音を表すのに用いられる。
畳音記号の前には基本的に弱子音字が置かれ、畳音形に付く語尾は畳音記号よりも後に置かれる。
畳音記号の前に強子音字を置くのは、畳音形の特徴形を表記する場合のみである。
合字
頻出する語尾は、合字によって一字で表記される。
合字は副詞語尾uh/ah、格語尾ur/eh/ov/om/atu、動詞語尾í/é/ó/asの11種ある。
なお、íとóは発音上長音であるにも関わらず、それを表す合字は強子音字ではなく弱子音字に続けて綴られる点に注意。
つまり、合字は常に弱子音字の後ろに置かれる。
文字の呼称
弱子音字はqet, bet, plet,...のように、その音価に-etを付けて呼ぶ。
強子音字はqēwt, bēwt, plēwt,...のように、その音価に-ēwtを付けて呼ぶ。
母音字や合字は各音価がそのまま呼称となる。
単語の境界の見つけ方
越薫は分かち書きをしないが、単語の境界を見つけることはさほど難しくない。
文末を除き、合字の直後には必ず単語の境界がある。
弱子音字と子音字(強弱問わず)が連続している箇所は、ほとんどの場合単語の境界である。
母音字と子音字が連続している箇所に単語の境界がある場合もある。ただし、このような母音字は多くの場合、格語尾や活用語尾である。
フォントと打鍵
本ページ下部でフォント(二種類)を公開している。
いずれも手書きで作った簡素なフォントだが、一通り全ての文字と記号を収録している。
Wetis_Hew.ttfはゴシック体、Wetis_Tog.ttfは明朝体に相当する字体である。
越薫とキーの対応については以下の表の通り。
原則としてアルファベット代替表記に基づくが、plはp、prはf、klはc、krはg、Øはjに割り当てられている。
また、弱子音字は小文字、強子音字は大文字に割り当てられている。