文字と発音
波藍の表記体系を波藍文字という。
ただ、波藍はコンピュータやインターネット上で使われることが多いので、
普段は波藍文字をラテンアルファベットに置き換えたものを使って表記する。
この表記体系を転写表記という。
波藍には8母音20子音と特殊音素/r/の30字がある。
また、波藍では異音を除き、基本的に一つの文字には一つの発音しかない。
下表の音素欄に示されているのが標準的発音である。その右にはそれぞれの異音の例を示している。
異音はすべて自由異音で、それらのうちのどの発音をしても良い。
文字名は規則的に付けられている。
母音は発音がそのまま名前となる。a, ä, ö, e, o, i, u, ü。
子音はそれにarを付けたものが名前となる。bar, par, mar, war, ..., yar, gar, kar, har。
「r」は特別に"arbre"という名称をもつ。
なお、波藍文字の表には含まれないが、「'」(アポストロフィ)は声門閉鎖音[ʔ]を表し、ciprenと呼ばれる。方言や外来語の表記で使われる。
r以外には大文字と小文字がある。通常は小文字を使う。
大文字は、文の最初の文字、固有名詞の語頭、強調する語などに限って使われる。
(文の最初の文字を大文字にするのは転写表記のときのみで、波藍文字を使う場合、ふつう大文字にしない。)
ただし、大文字の使用は義務ではない。
なお、本ページ下部からダウンロードできるmp3ファイルで、上表の順に発音しされた文字名を聞くことができる。但し、母音は長めに発音した。
※音韻変更の影響で録音当時は存在しなかったüが音声には含まれていないので注意。/ü/の発音が気になる方はこちら(Wikipedia)でお聞きになれます。
以下に発音のポイントを示す。
円唇母音
非円唇母音
r
rは母音の後ろにあるときと子音の後ろにあるときとで意味が異なる。また、語頭に立つことはない。
また、rは子音字にも母音字にも含まず、一種の記号として扱う。
母音の後ろにあるときは、直前の母音を長母音化する。日本語の/ー/やドイツ語の/h/と同じ。
例: ar = アー bar = バー
子音の後ろにあるときは、直前の子音を長子音にする。日本語の/っ/と同じだが、置かれる位置が異なる。
例:gasro = ガッソ itre = イッテ
対立子音
対立子音とは、有声音と無声音の対立がある子音を指す。14個ある。ただし、q, x, cはすべてjと対立する。
中立子音
中立子音とは、有声音と無声音の対立がない子音を指す。6個ある。