繋辞
繋辞(けいじ)とは、英語のでいうところの「be動詞」である。
動詞の一種ではあるが、特殊な働きをするため特別に名前が付いている。
繋辞は主に2つの使われ方がある。
1. 「A=B」。 例:「I am Tom.(私はトムだ)」=「I = Tom」
2. 「AはBな状態だ」。 例:「He is hungry.(彼は空腹だ)」=「Heはhungryな状態だ」
このように繋辞を述語として作られた文を「繋辞文」と呼ぶ。
(指定と措定は区別しない。波藍では補語が名詞なのか形容詞なのかが重要。)
波藍の繋辞にもこの2つの機能があるが、
英語のbe動詞とは異なり、波藍の繋辞には形も発音もない。
言語学的に言うと、波藍の繋辞は「Ø」であるということになる。
このことから、繋辞はØ繋辞とも呼ばれる。(Ø繋辞以外に変化繋辞がある。これに付いては変化の表現を参照。)
つまり、
「私(a)はトム(tom)だ」は、波藍では「aya toma」のように主格名詞を2つ並べるだけで表される。(※下に注意あり。)
「私(a)は空腹だ(lätö)」は、波藍では「aya lätö」のように主格名詞と形容詞を並べるだけで表される。
繋辞は動詞の一種なので、形があれば
「aya toma ○」「aya lätö ○」の○の位置に繋辞が置かれるはずなのだが、
形も発音もないので実際には何も表記されない。
では、過去形などはどうするか。過去の助動詞はtöである。
以下のようになる。
「aya toma tö」
「aya lätö tö」
波藍において過去形などは助動詞で表されるが、波藍の助動詞は日本語のように動詞の後ろに置く。
繋辞に助動詞を付ける場合、先ほどの○の位置に繋辞があるものとして、その後ろに置く。
また、繋辞に人称接辞は付けられない。
その為、繋辞文において主語を省略することは可能だが、省略すると文脈から主語を推測するしかなくなるので注意。
※A=B型の繋辞文
「私はトムだ」を「aya tom」とするのは誤りである。必ず両方を主格にすること。