接続詞le

接続詞leは、英語などの関係代名詞に相当するものである。

以下、英語の関係代名詞と比較しながらアルカの接続詞leについて解説する。

又、幻作文用に、le節を含む名詞句の一般的な作り方を示した。

・先行詞との関係

英語の関係代名詞は、先行詞が人か物か、及び先行詞の格によって使い分けられるが、アルカでは常にleが使われる。

但し、英語の関係代名詞には所有格whoseがあるが、アルカのleに属格を表す用法はない。

例) the language which is spoken in U.S. アメリカで話されている言語

→ eld le yol yu ka ratto

例) the girl who(m) you know あなたが知っている少女

→ fian le ti ser

例) a friend whose father is a teacher お父さんが教師である友人

→ *hacn le kaan et xaxan(非文)

→ ◯hacn le til kaan lex xaxan

・異形態と省略

leの直後の単語が母音字で始まる場合、エリジオンを起こし、異形態l'となって直後の単語と繋がる。

又、英語の関係代名詞は、前置詞付き関係代名詞の場合と非制限用法の場合を除いて、直後にSVがある場合に省略できるが、leは如何なる場合も省略できない。

例) *xial le an ra → ◯xial l'an ra 私が住む街

例) the person (who(m)) you love あなたが愛する人

→ *lan ti hatia

→ ◯lan le ti hatia

・格詞残留

英語では、前置詞の目的語が先行詞となる場合、その前置詞を関係代名詞の直前に置く場合があるが、アルカでは常にle節の中に格詞は残留させる。但し、意味が曖昧にならなければ残留した格詞は省略可能である。(フォーマルな言い方では省略しない。)

例) the city in which we live (=the city which we live in) 私達が住んでいる都市

→ *haim ka l'ans ra

→ ◯haim l'ans ra ka

→ ◯haim l'ans ra

・制限用法と非制限用法

英語では、名詞の修飾要素に制限用法と非制限用法の別があるが、アルカにはない。

例) Japan, which we live in 私達の住む日本

→*parm, l'ans ra

→ ◯parm l'ans ra

・le節の作り方

le節は常に先行詞(必ず属格以外の名詞(句/節))を伴うので、先行詞まで含めた名詞句の作り方を以下に示す。

①先行詞を含む文を用意する。

②先行詞を文頭へ出し、その直後にleを置く。

③le節によって限定された結果、不要になった先行詞の指示詞などを消去する。

④格詞が残留している場合、意味が不明瞭にならないことを確認して省略する。(任意)

例)「私が大学を卒業した年」をアルカで表現したい場合

①「私はその年に大学を卒業した」という文を用意。→"an regat i kaifel im tu salt"

② tu salt l'an regat kaifel im

③ salt l'an regat kaifel im

④ salt l'an regat kaifel (im) ←完成

※同格を表すle

英語のthatは関係代名詞でもあるが、特定の名詞について同格節を導く接続詞となる。これと同様に、leも同格節を導くことがある。この用法のleはxel, lex, del, eなどと交換可能で、あまり使われない。

※関係副詞とle

英語にはwhen, where, why, howといった関係副詞があるが、アルカにはない。格詞残留などを使って表すしかない。

例) the year when I was born 私が生まれた年

→ salt l'an fiasat

例) the room where he lived 彼の暮らしていた部屋

→ ez le lu rat

例) the reason why she cried 彼女の涙の理由

→ man[sanje] len lu enat

→ les lu enat mil