帽詞

帽詞(ぼうし)とは、動詞に付ける冠詞のようなものであり、動詞の前に置かれる。

時制と法を表す。

※直説法現在のaは、強調の場合以外では省略される。

・時制

尋浦の時制は相対時制である。

つまり、主節の時制は発話時を基準にして決められ、従属節の時制は主節の時制を基準にして決められる。

今日過去」「今日未来」は、「今日の中での過去」「今日の中での未来」という意味である。

例えば今が昼だとすると、今朝のことを述べる場合は今日過去、今夜のことを述べる場合は今日未来を使うことになる。

なお、ここにおける「今日」というのは午前0時を必ずしも基準とするわけではなく、あくまで話者の認識に従ったものである。

ただし、主節の動詞が過去や未来である場合は今日ではなく、その当日中における過去や未来を表す。

しかし、実際には相を使って事実上の時制を表せることが多いため、現在時制以外はあまり用いられない。

・法

直説法(叙実法)は事実(未来時制においては確実に実現されると考えられる事柄)を述べる場合に使う。

これは多くの言語と同じである。

叙想法は、自分の思いや考えや推測や希望を述べる法である。

「~する気がする」「~すると思う」「~したい」「~するだろう」など、意味は文脈によって様々である。

接続法は、従属節の動詞がとる法である。

従属節の動詞は直接法をとる代わりに接続法をとる。

ただし、従属節の動詞が意味的に叙想法や条件法や命令法をとる必要がある場合には、接続法は使わない。

なお、従属節においては主題が帽詞の後ろに下がり、「帽詞→主題→態詞→動詞」という語順になるので注意。(これは接続法に限らず従属節では常に起こる。)

条件法は、何らかの条件の元で成立する事柄を述べるときに使う法である。

「~するならば、…する」という文において、後半の述語に使われることが多い。(条件節は省略されることもある。)

命令法命令する場合に使う法である。

命令文では、命令する対象が必ず文の主題となる。

命令対象は"聞き手"であることが多いが、"話し手"や"話し手たち"とした場合は意志・提案・勧誘を表す。

・名詞節の作り方

名詞節を作るには、帽詞に冠詞を付ければ良い。(対・遊・処格では接辞形を用いる。)

この場合は直説法現在時制帽詞の"a"を省略することはできない。

なお、名詞節は必ず従属節であるので、直接法は接続法となり、主題が帽詞の後ろに後退する。

例えば帽詞に遊格冠詞を付けて名詞の後ろに置けば、英語の関係詞節のような意味になる。