数詞
数詞
数詞には基数形・回数形・序数形・名詞形・回数名詞形がある。
名詞形・回数名詞形以外は、名詞・形容詞・動詞の前に置いて用いられ、それぞれ次のような意味になる。
※基数形を形容詞の前に直接置くことはできず、助数詞を挟む必要がある。
まず、基数形を以下に示す。
十進法で、千以降は三桁区切りとなる。
最高位の数が1であるときにはそれを「ku-」として表記しない一方、最高位以外では「ku-」と表記する点に注意されたい。
例えば、百は「kusēwa」ではなく「sēwa」だが、千百は「bīzi sēwa」ではなく「bīzi kusēwa」である。
なお、零を意味する「nepla」は、数学や厳密な言い方をする場合を除いて使用されない。
回数形は、基数形の末尾の母音を取り除き、代わりに接尾辞-oyを付けた形である。
一から、koy, hoy, temoy, qaproy, soy, tētoy, xuynoy, yornoy, nuhtoy, proy, prōkoy(11), …, hīproy(20), …, hīprō temoy(23), …となる。
なお、回数形に-mを付けると「~回目」を表す回数名詞形になる。
序数形は、基数形の末尾の母音を取り除き、代わりに接尾辞-oyleを付けた形である。
一から、koyle, hoyle, temoyle, …となる。
なお、「~番目」という序数名詞は、序数形の末尾のeを取れば得られる(koyl, hoyl, temoyl, …)。
名詞形は、基数形の末尾に接尾辞-mを付けた形である。
一から、kum, hīm, temam, qaprim, sam, …となる。
名詞形には二つの用法がある。
一つは、数そのものを表す用法である。
この用法では、名詞形数詞は無生名詞として扱われる。
例:sameh kumom kuymi. 五は一よりも大きい。(kuymi:多い)
もう一つは、「~つのもの」「~人の人」のような意味を表す用法である。
この用法では、数える対象に応じて、有生名詞または無生名詞として扱われる。
例:yibun klami kre sam sakre. この部屋には五人いる。(klameh:部屋)
例:yibun klami kre sam sakri. この部屋には五つある。
疑問数詞
数詞を尋ねる場合には、疑問数詞xeplaを用いる。
回数形はxeploy、序数形はxeployeとなる。
通常の数詞と同じように文中に置いて用いる。
助数詞
助数詞は「(指示形容詞+)基数形数詞+助数詞+(形容詞+)名詞」の形で用いられる。
前置修飾の形容詞や指示形容詞がある場合は、上記のような語順となる。
例:yibut tema kuymi ruzi sav この三つの赤い林檎(ruzu:赤い、saqeh:林檎)
最も基本的な助数詞は、上の例でも使ったkuymiである。
全ての可算名詞に付くことができる。
可算名詞に付く助数詞は省略することができる。
例えば、上例は「yibut tema ruzi sav」とも言える。
ただし、上例のように前置修飾の形容詞がある場合には、助数詞を省略せずに置くことが多い。
不可算名詞(厳密に言えば物質名詞)は、容器や単位などを用いて数える。
容器などを表す名詞は、特徴形にすることで助数詞として用いることができる。
例:ko klobo tip 一杯の酒(klobeh:グラス、tipreh:酒)
不可算名詞に付く助数詞は、省略することができない。
例えば、「*ko tip(一つの酒)」とは言えない。
その他、可算不可算を問わず頻用される助数詞として、nēna(~種類の)がある。
例:hī nēna sav 二種類の林檎
例:sa nēna tip 五種類の酒
このような、集合を数える助数詞は省略できない。
これは、省略すると「hī sav(二つの林檎)」「*sa tip(五つの酒)」のようになり、意味が変わるか成立しなくなるかしてしまうためである。