半母音化・長音化・緩衝音挿入

波藍は母音や子音が連続することを嫌い、避けようとする言語である。

そこで、以下のように表記や発音を変化させることによってそういった音の連続を防ぐ。

具体的には、半母音化・長音化・緩衝音挿入(y挿入・w挿入・u挿入・e挿入)という変化が起こる。

なお、1.>2.>3.>4.>5.の順で優先される。(1.が最優先)

1.半母音化:直後に母音があるとき、i → y, u → w

一語の中にある「i+母音」は「y+母音」に、「u+母音」は「w+母音」に表記・発音ともに変化する。

はっきりと話す場合以外、一語の中ではなくても、iと母音が連続しているときは間にy、uと母音が連続しているときは間にwを補って発音する。(表記は変えない。)

※irはiy、urはuwとなる。

※yi、wuで半母音化が起こる場合、yyやyr、wwやwrとはならず、単にy、wとなる。(例えばmäyi+üはmäyyüやmäyrüではなく、単にmäyüになる。)

例1: "i"(あなた)に接尾辞"-a"(主格)をつけるとき、"ia"とはならず、iがyに変わって"ya"となる。

例2: "su"(水)に接尾辞"-a”をつけるとき、"sua"とはならず、uがwに変わって"swa"となる。

例3: "qita qi aya..."(ここから私は...)と言う場合、実際には"qita qyaya"と発音する。

2.長音化:同じ音が連続するとき、後側の音→r

一語の中で同じ音が連続する場合、その後側の子音がrに表記・発音ともに変化する。

1.と同様、はっきりと話す場合以外、一語の中でなくとも同じ状況が起きると、発音上は後側の音がrに変化する。

但し、yrやwrは波藍には存在せず、これらはそれぞれ単にy、wになる。(例えばmäyi+iはmäyriではなくmäyi。)

例1:"ko"(これ)に"-o"(対格)をつけるとき、"koo"とはならず、"kor"となる。

例2:"möt tö"(教えた)と言う場合、実際には"mötrö"と発音する。

3.y挿入・w挿入:直後に母音があるとき、非円唇母音の直後にy、円唇母音の直後にwを挿入

一語の中にある「非円唇母音+母音」は「非円唇母音+y+母音」に、

一語の中にある「円唇母音+母音」は「円唇母音+w+母音」に、表記・発音ともに変化する。

1.や2.と同様、はっきりと話す場合以外、一語の中でなくとも同じ状況が起きると、発音上はyやwが挿入される。

例1: "a"(私)に接尾辞"-e"(属格)をつけるとき、"ae"とはならず、yが挿入されて"aye"となる。

例2: "ko"(これ)に接尾辞"-ü"(与格)をつけるとき、"kou"とはならず、wが挿入されて"kowu"となる。üがuになることについては母音調和を参考。

例3: "me"(あの人)に接尾辞"-o(対格)"をつけるとき、"meo"とはならず、yが挿入されて"moyo"となる。

4. u挿入:無声子音と有声子音の間、有声子音と無声子音の間にuを挿入

一語中で、

「無声子音+有声子音」は「無声子音+u+有声子音」に、

「有声子音+無声子音」は「有声子音+u+無声子音」に、表記・発音ともに変化する。

※前舌語ではuではなくüになる。(母音調和参考)

但し、これは原理的に、造語する場合にしか適応されえない規則であり、ユーザーが適用することは少ない。

1.~3.と同様、はっきりと話す場合以外、一語の中でなくとも同じ状況が起きると、発音上はuが挿入される。

5. e挿入:子音と子音の間にeを挿入

一語中で、「子音+子音」は「子音+e+子音」に、発音上でのみ変化することがある。綴りは変化しない

この現象は人や場合によって起こらないこともあり、このeの有無は意味に全く影響を与えない。

※「子音+w/y」において、この間にeが挿入されることはない。これらはそれで一つの子音と見做される。

つまり、例えばkefsämという単語は/kefsäm/と発音しても/kefesäm/と発音してもよい。