接続詞と接続辞

等位接続詞

接続詞には等位接続詞と従属接続詞とがあるが、まずは等位接続詞について述べる。

連言

選言

va

mun

~と…

~あるいは…

例)ty va sy va ly 私と君と彼

例)ty mun sy mun ly 私か君か彼

等位接続詞は文同士を繋ぐこともできる。

例)irusyt va irusys. 私が行き、君が行く。(必ずしも前後関係を含意しない)

例)irusyt mun irusys. 私が行くか、君が行く。

選言で繋がれたもの同士は疑問助動詞qaの焦点となって、選択疑問文を作る。

例)qa cen sten mun fistam irusys? 家と学校のどちらに行きますか。

例)qa irusys mun irusyl? 君と彼のどちらが行きますか。

疑問辞をqaの焦点としておいて、述語より後で選言による選択肢を示すこともできる。

例)qa cen ossa irusys cen sten mun fistam? 家と学校のどちらに行きますか。

従属接続詞の基本的用法

従属接続詞はinの一語のみである。

inは節頭に置かれて、名詞節(「~すること」)を作る。

例)in irusyt cen fistam 私が学校に行くこと

inに冠詞を付けることで、節全体を従属節にすることができる。

例)simnyl cenyt d'in irusyl cen fistam. 彼は(彼自身が)学校に行くと私に言った。(simn: 言う)

述語が発言動詞の場合、inに冠詞を付けなければ直接話法と解釈される。

例)simnyl cenyt in "irusyt cen fistam" 彼は「私は学校に行く」と私に言った。

なお、linやlannで始まる節に付くときは、異形態ilとなって続け書きされる。

例)illin irusyt cen fistam 私が学校に行かないこと

例)illann irusyt cen fistam 私が学校に行ってはいけないということ

従属接続詞の関係詞的用法

名詞の後に無冠詞のin節を置くと、関係節となる。

この場合、inの直後には、先行詞の関係節中での格を表す冠詞に関係代名詞-yn(代名詞の一種)を付したものが置かれる。

なお、遊格の場合には通常の代名詞と同様、nyという特別の形が用いられる。

例)irusyt cen fistam in cenyn irusylama. 彼の通う学校へ私は行く。

inの直後にある語が関係代名詞を含む場合には、inを省略してもよい。

例)irusyt cen fistam cenyn irusylama. (同上)

関係代名詞に主格が付く場合は、動詞の人称変化語尾も-(y)nとなる。

この場合、主格関係代名詞synは省略することができる。

例)jequt in syn irusynog cen fistam 学校に向かっている男

例)jequt in irusynog cen fistam (同上)

例)jequt irusynog cen fistam (同上)

※「jequt syn irusynog cen fistam」も文法的には正しいが、実際には使われない。

関係所有接尾辞-(y)nnもある。

例)jequt in cen aloinn bromyt 私がその馬を見た男(英語では「a man whose horse I saw」)

接続辞

接続辞は、常に遊格で用いられる名詞の一種で、他の節あるいは文との関係を表す。

主題として述語動詞の前に置かれるか、述語動詞の直後に置かれる。

主な接続辞は以下の通り。

例)irusyt cen fistam. mont irusyl. 私は学校に行く。というのも、彼が行くからだ。

例)irusyt cen fistam. fetta syl irusyl mont. 私は学校に行く。彼も行くから。

接続辞を含む文は、接続詞inによって従属節化できる。

従属節化すると、接続詞はinの直後に置かれる。

例)irusyt cen fistam in mont irusyl. 彼が行くので、私は学校に行く。

例)in mont irusyl cen fistam, irusyt. 彼が学校に行くので、私が行く。

例)irusyt cen fistam in mont fetta syl irusyl. 彼も行くので、私は学校に行く。