格詞
格詞
格詞(pea)は英語でいう前置詞に相当する品詞であるが、以下の様な特徴を持っている。それぞれの詳細は更に下に述べる。
後ろに名詞だけでなく名詞句や名詞節を置くことができる。一部は形容詞も置くことができる。
格詞の導く句が名詞を修飾する場合、-enという接尾辞が付いて接続詞化する。
特定の条件下では省略することが出来る。
一部、主節との因果関係の強さによって使い分けられる格詞がある。
格詞の目的語 (特徴1)
格詞の目的語(yupea)とは、格詞に後続し、格詞によって支配される要素を指す。
英語では一部を除いて、名詞と名詞句だけしか前置詞の目的語とならないが、アルカにおいては、全ての格詞が名詞・名詞句・名詞節を目的語として取ることができる。
時格を表す格詞imで例を以下に示す。
im tas テストの時に
im tas t'alf 数学のテストの時に
im an vasor tas t'alf 私が数学のテストを受けているときに
又、一部の格詞は形容詞を目的語とすることがある。主に、yul, xel, lex, a(l)などが当てはまる。
但し、格詞の目的語に形容詞が取れるかは動詞の語法によって決まることが多く、一般的に格詞の目的語として形容詞を取れるとは言えない。
tu et (yul) xep. それは難しい。(格詞yulは通例省略される。詳細は特徴3の解説参照。)
lu xal ez nozet lex osk. 彼は自室を綺麗に保つ。(英語でいうSVOCの構文では、Cに当たる形容詞をlexの目的語として表現することが多い。)
tu ez xal yu lu xel osk. この部屋は彼によって綺麗に保たれている。(xelが形容詞を目的語に取るのは一つ上の例のような文を受け身にした場合のみ。)
an miyu ikn tur merel a rat. 今の生活を一新する。(目的語の性質が変化した結果の状態を表している。)
格詞を接続詞化する接尾辞"-en" (特徴2)
英語で、前置詞の導く句が名詞を修飾する場合、前置詞の品詞や形は変化しない(例 a computer on a desk 机の上のコンピュータ)が、
アルカの格詞句が名詞を修飾する場合、格詞に接尾辞"-en"が付けられ、品詞が格詞ではなく接続詞になる。
ket saen an 私の前の猫
fia xalten lu 彼の視点で見た世界
vand yulen le xial その街に対する攻撃、その街を攻撃すること(このvandは普通動名詞。)
格詞の省略 (特徴3)
英語においては如何なる前置詞も省略することはできないが、アルカにおいては一定の条件下で可能である。
まず、動詞の左にある格詞句のうち最も近い格詞句がsol格句(主語)である場合(=倒置が起こっていない場合)、格詞solは省略できる。
又、動詞の右にある格詞句のうち最も近い格詞句がyul格句(目的語)である場合(=倒置が起こっていない場合)、格詞yulは省略できる。
次に、接続詞le(l')の導く節において、その節の被修飾語がある格詞の目的語であり、且つ、その格詞が文脈から明らかに分かる場合、その格詞は省略できる。
(sol) an et (yul) vik. 私は男です。
sel l'an fiasat (im) 私が生まれた日
格詞の強弱 (特徴4)
アルカの接続表現(一部の純詞・格詞)には、強系統、中系統、弱系統という3つの形を持つものがある。
格詞においては、原因格と譲歩格に強中弱の別がある。
因果関係の強さで使い分けられるが、男性はふつう中系統、女性はふつう弱系統をメインに使う。(女性が中系統を使った場合、男性が強系統を使うのと同程度の因果関係となる。)
但し、後ろに名詞か名詞句をとる場合のみ、原因格は性別を問わず、通例milを用いる。
名詞の主題化
アルカにおいて、格詞の目的語を文の主題とするには、文頭にその格詞句を置けば良い。(日本語では主に係助詞「は」で表現される。)
主格以外が主題化する場合は倒置の一種として扱われ、又、その文頭の格詞句と文の主語の間にツンク(,)が必要である。
an ket felki im fis. 今日塾に行った。
→im fis, an ket felki. 今日は塾に行った。