疑問文
諾否疑問文
否定の焦点となる要素の前に副詞yāvを置くことで示される。
特に焦点がない場合には述語の前に置かれる。
ただし、このような場合、話し言葉ではyāvを省略することもある。
諾否疑問文の文末は必ず上昇調で読まれ、代替表記では文末に疑問符を置く。
ximbu (yāv) zarāye?
君は学生ですか。
hīma zārihatu (yāv) hūti?
彼は学校へ行きましたか。
答えるときは、「はい」ならば「yipra」、「いいえ」ならば「neple」と言う。
ただし、砕けた会話ではそれぞれ「pra」「ne」とすることもある。
なお、否定疑問文に対する答え方は日本語と同じである。
疑問詞疑問文
疑問詞は文の適当な位置に入れられ、必ずしも文頭である必要はない。
疑問詞疑問文の文末は必ず上昇調で読まれ、代替表記では文末に疑問符を置く。
基本的な疑問詞は以下の通り。
疑問代名詞yuprurとneklehは名詞と同様に扱われ、語幹yupr-/nekl-に格語尾などを適宜補って用いられる。
疑問形容詞は名詞の前に置かれ、名詞が有生ならばyupre、無生ならばnekliが用いられる。
後置することもできるが、その場合は原形名詞の後にそれぞれの原形yup/necを置き、格語尾などがある場合はyupr-/nekl-としてこれらに付ける。
なお、疑問詞の前に副詞yāvを置くと、「yāv yup(誰か)」「yāv nekla(何故か)」のように、不定代名詞に相当する表現となる。
ただし、疑問形容詞にyāvを付けた「yāv yupre」「yāv nekli」は「或る~」「とある~」という意味で用いられる。
選択疑問文
選択疑問文は、選択疑問詞語幹「het-」を利用して表す。
選択疑問文の文末は必ず上昇調で読まれ、代替表記では文末に疑問符を置く。
疑問代名詞として「het-」を用いる場合、通常の名詞と同様に格語尾を付することができるが、
選択対象が有生名詞ならば主格が「het」で対格が「hetur」、無生名詞ならば主格が「heteh」で対格が「het」となる。
これら以外の格では、選択対象の有生性によって形が異なることはない。
hetur hapre heprasukli? どの[どちらの]方とお会いになったのですか。
het tawqe xāya? どれ[どちら]を食べたい。
選択対象(選択肢)を文中に示す場合は、「A kuy B kuy C-ov/om」という形で、het-よりも前に(原則として文頭に)置く。
最後の選択肢C以外は原形で置かれ、Cだけが奪格を取る。
なお、kuyは英語の「and」に相当する接続詞である。
yibut kuy hiqom het tawqe xāya? これとあれのどちらを食べたい。
「どの~」「どちらの~」というように疑問形容詞として用いる場合は、名詞に形容詞hetaを係ける。
「heta ~」も間違いではないが、連体形にして「hete/heti ~」ということが多い。
hete ayc wōti? どっちの動物が大きいの。(aykur:動物、wōto:大きい)
hete klayur yāmuy? どの人を招待したの。(yāme:招待する)
選択対象を明示する選択疑問文は、副詞yuhを用いて作ることもできる。
常に「yuh A heta B heta C」という形式で用いられ、最後の選択肢以外は原形をとる。
yuh kōm heta yīx tawqō? 肉と魚のどちらを食べよう。(kōmeh:肉、yīxeh:魚)
ただし、先頭の選択肢が述語を含む場合には、その述語の直前にyuhは置かれる。
wōx yuh tawv heta tūp suyka? ご飯にする? お風呂にする?(wōxeh:食事、tūp suyke:風呂に入る)