照応

照応とは、代名詞がその指示対象を指示することをいう。

ここでは特に、3人称の近称・間称・中称・遠称について述べる。

まず、それらは話し手と聞き手と指示対象との「距離」によって使い分けられる。

重要なのは、距離というのが物理的距離に限らないということである。

心理的距離や時間的隔たりや所有関係も含めて距離という。

これらは話し手の意識によって、数字の上での判断を超えて常に変わるものである。

近称中称話し手と聞き手のどちらに指示対象が近いかという点で使い分ける。

話し手に近い場合は近称、聞き手に近い場合は中称を使う。

間称遠称話し手と聞き手のどちらからも近いと言えない場合に、指示対象が両者の近くにあるか遠くにあるかで使い分ける。

つまり、近称・中称を優先的に使い、そのどちらも使えない場合は間称・遠称を使う。

両者の近くにある場合は間称、両者の遠くにある場合は遠称を使う。

イメージ図を作れば以下のようになる。(橙色の四角形が指示対象を、直線の長さが「距離」を表すものとする。)