動詞の類

尋浦の動詞は、どのような変化を表す動詞かによって、Ⅰ類・Ⅱ類・Ⅲ類・Ⅳ類の4つに分けられる。

個々の動詞がどの類に属するかは辞書に書かれている。

また、辞書には類の他に、「何を対格(Ⅲ類では已格・Ⅳ類では未格)にとるか」が書いてある。

類と対格の内容さえ分かれば、以下のような文型に当て嵌めて、あらゆる尋浦文を作り出すことができる。

ただし、文型とは言っても、必ずしも全ての格を埋める必要はない。

とりわけ具格は示す必要がなければ省略されることが多い。

また、必要に応じて、以下に示した格以外を加えることもできる。

特に、以下のような場合、主格は省略されるか、境主格代名詞"a"が虚辞として置かれる。

    • 自然変化(意志を伴わない変化)のとき。

    • 再帰的変化(主格と対格/未格/已格が一致するような変化)のとき。

    • 視者と主格とが、同一の人か同一の物であるとき。

・Ⅰ類

[主格][具格]を使って[対格][未格]から[已格]に変える」という文型をとり、

一般的には物そのものの変化を表す動詞が当てはまる。

・Ⅱ類

[主格][具格]を使って[対格][未処格]から[已処格]に移す」という文型をとり、

一般的には物の場所(或いは時)の変化を表す動詞が当てはまる。

この類に属する動詞が最も多い。

理屈としては、移動においては未格と已格とがふつう一致するため、それらが合わせて対格で表されている。

しかし、その場所は変化しているので、それを未処格と已処格とに分けて表している。

・Ⅲ類

[主格][具格]を使って[已格]を有る状態にする」という文型をとり、

一般的には物の誕生や出現を表す動詞が当てはまる。

一見これは変化を表していないように見えるかもしれないが、未格がØである変化と捉えることができる。

・Ⅳ類

[主格][具格]を使って[未格]を無い状態にする」という文型をとり、

一般的には物の破壊や消滅を表す動詞が当てはまる。

これはⅢ類に対して、已格がØである変化である。

※補足

尋浦には、類を変えることによって意味が全く反対になる動詞もある。

例えば"fict"という動詞は、Ⅲ類動詞として使うと「雪が降る」を意味し、Ⅳ類動詞として使うと「雪が止む」を意味する。

次項で説明するようにⅢ類の場合はficttor、Ⅳ類の場合はfictturという形をとるが、これらは区別がしにくい。

そこで、こういった動詞は同族目的語を伴って使うことが多い。

そうすることで、「雪が降る」は「Ficttor zus fict」、「雪が止む」は「Ficttur les fict」のようになり、

冠詞が挟まった結果として、区別がしやすくなる。(fictは「雪」を意味する名詞でもある。)