尋浦的格体系

尋浦には、13個の格がある。(うち、基本的な格は7個のみ。)

多く感じられるかもしれないが、体系的なシステムなので簡単に覚えられ、使える。

尋浦の格体系(尋浦的格体系)は以下の図を使って説明できる。

尋浦は全て、変化を基本として考える。

変化は一般的に、「SがIを使ってOをPからQに変える」という動作である。

例えば、「私がペンキを使って色を白色から赤色に変える」と言える。

この場合、

S = 私

I = ペンキ

O = 色

P = 白色

Q =赤色

である。

ここで、上の図の青い四角形の中を見てほしい。

今の例文を図に当てはめてみると、以下のようになる。

この図を使えば、どの格を使えば良いのかが一目瞭然である。

つまり、私(S)を主格、ペンキ(I)を具格、色(O)を対格、白色(P)を未格、赤色(Q)を已格にすればよい。

読みは「しゅかく」「ぐかく」「たいかく」「みかく」「いかく」である。

次に、最初に挙げた図の、青い四角形の外に目を向ける。

図の一番右上に、「処格」とある。

処格(しょかく)には、変化を含めた全てが行われる場所が当てはまる。

処格という名称だが、時も含むので注意。

例えば「今日、私がペンキで~」という文ならば、「今日」は処格をとる。

青い四角形の下には「○処格」という名称の格が5つ書いてある。

これは、"○格"が指すものに対する処格である。

例えば、対処格(たいしょかく)は対格の指すものがある場所や時を指す格である。

先程の例文で、「~壁の色を~」だったならば、「壁」は対処格で表される。

「色が壁にある」という認識をあまりしないかもしれないが、尋浦ではよくある認識法・表現である。

なお、「学校の壁の色を」だった場合、"対処処格"は存在しないので、「学校」も対処格で表す。(実際には主処格などで表せることが多い。)

右の黒い円には「遊格」とある。

遊格(ゆうかく)は変化に直接の関係がないもの(即ち、青い四角形の中に入れられないもの全て)を指す。

また、遊処格は、遊格の指すものがある場所や時を指す格である。

図をフルに埋めてみると、以下のようになる。

「今日私は学校で、友達が隣にいる状況で、一斗缶入りのペンキを使って、壁の色を白色から赤色に変える」という意味になる。

なお、「今日」と「学校」の両方を処格にすることも可能である。

というのも、この図では、友達が学校にいるとは限らないのだ。

ただ、友達が私の隣にいることになっているので、友達も学校にいる蓋然性は高いと判断できる。

「今日」と「学校」を両方とも処格にすれば、私も友達も、明確に学校にいることになる。

この図では、未処格・已処格・対処格の3つが「壁」となっている。

この場合、対処格を使うだけで未処格と已処格も「壁」であることが確定するので、対処格だけを使えばよい。

なお、ここでは解説のために全ての格を埋めたが、実際には空白の格があってもよい。

さて、図の使い方と意味は理解していただけただろうか。

この理解を前提にして、これ以降はこのシステムを具体的に尋浦でどう使って表すのかを説明していく。