有生性と格

有生名詞と無生名詞

名詞は有生名詞無生名詞とに分けられる。

この区別は生物学的分類とは直接関係なく、主に動くものを有生名詞動かないものを無生名詞に分類する。

ただし、動くものであっても目に見えないものは、無生名詞に分類される。

例えば、植物は生物ではあるが動かないので無生名詞に分類され、太陽や月は生物ではないが動くので有生名詞に分類される。

また、風は動くが目に見えないので、無生名詞に分類される。

辞書の見出し語においては、-urで終わる名詞が有生名詞-ehで終わる名詞が無生名詞である。


名詞は文中において、意味に応じた様々の格をとる。

格を表す方法は二種類あり、一つは格語尾を名詞の語幹に付ける方法、もう一つは後置詞を用いる方法である。

基本的に、頻出の格は格語尾で表され、そうでないものは後置詞で表される。

後置詞を使った格の表示については次々項で扱うので、ここでは格語尾について説明する。

格は8種である。ただし、格語尾は11種ある。

これらの格語尾は、名詞の語幹に接尾辞として付ける。

名詞の語幹は、辞書形から-ehあるいは-urを取ることで得られる。

この-ehと-urはそれぞれ主格・対格の語尾であるが、これらについては次項で詳しく解説するため、一旦措く。

分格は、否定文や繋辞文の主語に用いられる。また、-ehに代わって自動詞の主語に付くこともある。

属格は被修飾名詞に対して前置される。

なお、特徴形が属格の代わりに使われる(属格的特徴形)こともある。

cf. xizoy kul(木の香り)

cf. xizoy tuli kul(木の良い香り)

cf. tuli xiza kul(木の良い香り)

cf. tuli xizoy kul(良い木の香り)

与格奪格はそれぞれ2つの形を持っている。

基本的に各両者は同義だが、-uと-ovは有生名詞に、-atuと-omは無生名詞に使われる傾向がある。

点格は処格とも呼ばれ、動作の行われる場所や時を示す。

-eと-ewは基本的に同義だが、-eは場所、-ewは時に使われやすい。

なお、2つの形がある格でも、辞書などでは上表の左側に書かれているもので代表させることが多い。