語尾分類と語尾変化
動詞・名詞・助動詞・助動辞・数詞・接頭辞・接尾辞は、その末尾によって以下の4つに分類される。
「母音+r」で終わる場合は、rの直前の母音によって分類する。ただし、人称接辞・所有接辞は接尾辞に含まない。
この分類に使われる末尾部分を分類語尾と呼び、分類語尾によって分類することを語尾分類と呼ぶ。
第Ⅰ類:-a, -ä, -e, -u, -ü, -l
第Ⅱ類:-i, -o, -owi, -ö, -öwi
第Ⅲ類:-p, -f, -t, -s, -c, -k
第Ⅳ類:-m, -n, -x, -q
これに従って、例えば-iで終わる動詞を「第Ⅱ類動詞」などと呼ぶ。
動詞・名詞・助動詞・助動辞・接尾辞に接尾辞を付けるとき、この分類に従って語尾の変化が起こる。
接頭辞の場合は主要部が付く場合に、この分類に従って接頭辞の末尾に変化がおこる。
これを語尾変化または分類語尾変化と呼び、具体的には以下のとおり。
動詞の場合
第Ⅰ類:特になし。そのまま接尾辞を付ける。但し、a,ä,eではy挿入、uはwに半母音化、üではw挿入が起こる。
第Ⅱ類:語尾脱落。分類語尾を消して、接尾辞を付ける。但し、o,owiを消しても語は後舌語のまま、ö,öwiを消しても語は前舌語のままである。
第Ⅲ類:有声化。p→b、f→v、t→d、s→z、c→j、k→gと変化させ、それに接尾辞を付ける。
第Ⅳ類:長音化。m→mr、n→nr、x→xr、q→qrと変化させ、それに接尾辞を付ける。
名詞・助動詞・助動辞・数詞・接頭辞・接尾辞の場合
※動詞との違いは、第Ⅱ類で語尾脱落が起こらないことのみ。
第Ⅰ類:特になし。
第Ⅱ類:特になし。但し、o,öではw挿入、i,owi,öwiではiがyに半母音化する。
第Ⅲ類:有声化。
第Ⅳ類:長音化。
※「母音+r」で終わる第Ⅱ類動詞でも同様に語尾脱落が起こるが、この場合、rも語末の母音と共に消滅する。