※条例、規則が原案通り可決、成立する見込みです。各学校事務室にも通知が入ったところですので、本記事を修正しました(1219)。ページ下部に配布された通知文書及び義務教育等教員特別手当の試算を掲載しています。
・教職調整額を2026年1月1日から2031年1月1日まで年1%ずつ段階的に引上げ(さしあたって2026年1月からは5%。2031年1月1日に10%になる見込み)。
・指導改善研修被認定者には教職調整額を支給しない。
・第1号業務に分類される「児童・生徒の負傷、疾病等に伴う救急の業務」「児童・生徒に対する緊急の補導業務」について、日額7,500円から8,000円に引上げ。※「義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例第7条」及び「人事委員会規則 教員特殊業務手当」に規定されています。
①義務教育等教員特別手当(給料明細には「教員特別手当」となっています)
・県立学校職員に支給する義務教育等教員特別手当を改定。
・全教職員の義務教育等教員特別手当の支給額を「約3割減」。
・学級担任に3,000円を加算。学級担任の数は「5月1日時点の調査統計」によるものを基本とする。
・支給されるのは「当該学級を主として担任するものに限る」。
・定年延長となっている61歳以降の職員は、「約3割減した支給額の7割」。
(例:現行2級141号給7,100円⇒4,900円⇒3,430円⇒50円未満切り捨て、50円以上100円未満切り上げ⇒「3,400円」)
支給限度額は次のとおり。試算表がページ下部にあります。
・「学級担任(特別支援学校及び特別支援学級を除く)の支給限度額を月額8,600円に改定」
・「学級担任以外の支給限度額を月額5,600円に改定」
②管理職(校長、副校長、教頭)に対する給料月額への加算
管理職の給料月額を算出する際に加算する額を次のとおり引上げる(教職調整額の支給がない管理職への
「校長:月額3,800円または4,000円」、「副校長、教頭:月額11,500円」
・2026年1月1日からの施行に伴いシステム改修を行われますが、1月の「学級担任加算」の支給は間に合いません。
・そのため学級担任加算分は2月にまとめて対象者に「1月分3,000円+2月分3,000円=計6,000円」支給されます。
義務教育等教員特別手当は「人材確保法」にのっとった手当です。支給額は「給料表の号給にしたがって」決められています。https://www1.g-reiki.net/pref_akita/reiki_honbun/u600RG00000883.html
こちらのページに詳細があります。なお、高等学校教員の場合「別表第2 教育職給料表(一)」のとおりです。
この手当を「全教職員の支給額を一律に削減し、それを原資とする『担任加算』を行う」というのが今回の改定です。
義務特手当の支給を「校務類型」により支給額を変えることとしたため、教育公務員特例法施行規則の改定により、「担任業務」「担任以外の業務」と分類されたことが大きな疑問で、これが「担任加算」の根拠となります。
・業務の平準化をすすめているなかで「担任加算」ということが行われることは、こうした動きが鈍る可能性があります。
・ただし、「学級担任の業務負担」自体には理解を示す意見もあります(東京都は義務教育等教員特別手当の引下げを行わず、担任、副担任等に差がありながらもいずれにも加算するという措置を行うことにしています)。
・養護教諭、実習教員、寄宿舎指導員は「学級担任」となることがまずありません。こうした職員にとっては大きな不利益変更です。
・上限設定が4級(校長)を基準としていることが問題です。「学級担任であれば上限8,600円」と条例改正されますが、校長が担任をもつことはまずありません。ですから「学級担任であれば上限8,600円」という条文を満たすことはあり得ないため、現実的には死文化します。
〇高教組はこの間、教職員給与課と交渉、協議を重ねてきましたが、改定が強行されます。条例、規則は改正されますが、今後もこのことにかかる問題点を指摘し続け、教職員の本当の意味での処遇改善、労働環境改善に向けてとりくみます。
※※下の表は、現行の4級上限8,000円が5,600円になることを想定して、1級、2級も同様の割合に引き下げられるケースを予想した試算です。細部に関しては増減もありえることをご了承ください。