賃金確定交渉2023その③

【多忙化防止計画の今後について】

現在多忙化防止計画は3年目をむかえています。前回交渉で次年度以降の計画を策定中とのことでしたので、学校現場の声を反映させるよう要求しました。(県教委)は、「現在実施している多忙化防止計画の検証とともに次期計画を策定中である。組合の意見も伺い、進めていくと述べました。

【次年度の教職員定数、定数減の情報について】

現在のところ教員定数減の教科も関わる情報は、人事異動の際にわかる仕組みになっています。これでは次年度の教育活動に支障が出ることを伝え、早めに教職員に伝えてほしいことを求めました(県教委)は「定数減になることが決まってから、減らす教科を決めている。3月まで慎重に検討していると考えてほしいと述べました。

【校務支援システムについて】

校務支援システムの運用実態調査をおこなうよう求め、またそれとともに具体的な支援をすることを要求しました。(県教委)は、「今運用している担当者や学校からの要望等を受けて、その都度担当と管理会社で対応している。網羅的にアンケートをとったり調査したりすることは考えていない。不具合等は把握できていると考えており、一つ一つ改善しサポートする」とのことです。

【勤務時間の把握と労務環境の改善】

長時間過密労働がなかなか解消していない現状を伝え、時間外勤務が超過している職員に対して、管理職が適切に配慮をおこない、それでも解消が難しい場合、県教委としてどのような対応をしているのかを質しました。(県教委)は「勤務時間の管理はICカードで把握している。これに基づいて業務の平準化や配慮などのマネジメントをするのは管理職として当然と述べました。続けて「時間外在校等時間は月45時間以内の教員が増えているが、月80時間超の教員が減らないことも承知している。校長からは勤務時間だけでなく、時間外勤務の多い教員への対応をどうするかも報告してもらっているので、適切に対応できているものと考えているとのことでした。

【臨時講師への臨時免許状等所有免許外教科の配置について】

校長交渉でも問題とした「臨時講師に対して臨時免許状を申請しての免許外教科の配置」を止めるよう求めました。教員採用試験を受験する教科と異なる教科を指導しなければならないこと、この依頼を断ることは将来的な不安から難しいことなど切実な要求をおこないました。(県教委)は「秋田県の教員としてがんばってもらいたい気持ちがある。やむを得ない面もあるが、改善していきたい答えました。

【定数内未配置の件、講師探しを現場が担っている件について】

特に年度始めの講師配置について、各学校で本務の傍ら電話をかけたりしていることは健全な状態ではなく、ましてや教科担任の教諭が担っている例は本務以外のことをやらせている状態であることを強く抗議しました。加えて、教育委員会が様々な手段を使って人材確保をおこなうべきであることを求めました。これに対して(県教委)は「求人サイトやSNSの活用も検討できると思う。勤務条件だけでなく、働き方改革の中身を発信するのも有効だと思う」と答えました。

しかし、高教組から「教育委員の方々へ不足していることは伝わっているのか」と問いただしたところ、(県教委)から「不足というが年度当初は足りている。年度途中のイレギュラーに対応できていないだけ。そういった面での講師不足である」という発言があり、これに対して高教組側の出席者から強く異義を唱えました。

県教委からの提供で「定数内未充足」があるということは5月時点でわかっています。年度当初は足りているというのであれば、人は足りているのに長時間過密労働が解消されない状況はなぜなのでしょうか。ましてや管理職や現場の教員が電話をかけまくることなどありえません。

※全国的なことですが、確かに講師が不足していることは事実です。しかしこれは、教職員定数を超えないように「講師を調整弁としてきた」こと、「講師がたくさんいて配置に余裕があった時代から講師に頼ってきた」ことのツケを払っていると考えられます。だからこそ、私たちは「採用数増」ひいては「定数内を正規で」という主張をしています。(サイト管理者より)