高校入試出願オンライン化に向けて

秋田県の高校入試出願について、2026年度をめどに出願オンライン化を進めています。

https://www.sakigake.jp/news/article/20231110AK0022/(秋田魁)

2024年度の秋田県予算案には、2024年度は業者選定とシステム構築に向けた予算が計上されています。

https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/kbnews/27014/(東書Eネット)

今後、どのようなシステムを構築するのかが注目されますが、中学校側、高校側それぞれの現場職員が要望をあげていく必要があります。

なお、他県でWEB出願化していて、確認できたのは次の通りです。ただし、すべての公立学校、すべての課程、すべての募集で導入されているかは各自治体により異なっています(高校入試 WEB出願 導入 都道府県 で検索し、検索上位から)。

千葉、札幌市立、奈良、神奈川、岡山、愛知、東京、岐阜、新潟、富山

今現在は報道で確認できることくらいの情報しかありませんが、仕様としてできそうなこと、変わりそうなことを想定してみます(あくまでも妄想です)。

①志願書、志願理由書は専用ページで入力

②受検料の納付が、収入証紙ではなくクレカ・コンビニ払いなどに

③受検番号や収受日付の押印をしなくてもよくなる

④受検票の印刷は志願者各自

⑤志願者の住所、氏名等願書の内容を各校専用入試システムに入力しなくても、データ抽出でいけるか

志願書、志願理由書についてはこんな感じでしょうか。あとはどこの部署で行うか。

こうした点は明らかに今のやり方よりも効率化されると思われます。特に⑤にかかっていた労力は、かなり減少すると見込みます。

どうなるのかわかりませんが、今の時点での疑問もあります。

①調査書もデータ提出になるのか:個人情報的なことも考えるとどうなるでしょうか

②入試の点数もこのシステムに入力して、色々できるようになるのか:以下略

③高校から県に提出する様式は減るのか:個人的にはここについて要望したいところ

あとは、根本的に「?」に感じることもあります。

①記事の中には「パソコンやスマートフォンなどで願書を作成できるようになる」とありますが、よほどのことでなければスマートフォンという選択肢を使うことはまず無い、と思います。 何かがあったとき用のスペアかと。

②中学校の先生が願書等を点検するという仕事自体が無くなるわけではないので、確実に時間が短縮されると考えられるのは、「あー、間違えちゃったか―、もう1回だね」「もう少しきれいな字を目指して書いてみようか」「生徒が家に持って帰ったときに汚してしまった」といったことが減る、と思われます。紙だろうがディスプレイ上だろうが、点検作業自体は変わりません。もし自分なら、全員が同じ時間に入力する時間を取ると思います。生徒が各自でやって中学校の先生がその度に逐一確認、ということになることは少ないのでは。

③それぞれの高校による違いもあると思いますが、提出された志願書、志願理由書、調査書、入試当日の筆記得点等のチェックをどのようにやるのか、というところです。たぶん、印刷してチェックする気がします。「だから紙に出さずにやればいいのに」と言われるのはわかっているのですが、慎重になってしまうところもあるのです・・・。

④今現在の状況はわかりませんが、各高校から県教委に送付する様式が結構あります。その様式の提出が国の要請によるものなのか、県段階での把握のためのものかはわかりませんが、これの作成とチェックがものすごく大変です。全ての様式をシステムで作成できて、提出もデータ、もとより提出様式を削減できれば、かなり省力化されると思います。

⑤調査書については賛否出ると思いますが、中学校の先生方が作成することには何ら変わりはないので、仮にデータ提出となっても直接持っていくか否かの違いが大きいかと。管理職への起案や押印をどうするかもありますね。もしPDFだと、高校側で転記が必要になります。

受検番号をどのように割り振るかを検討する必要があります。これまでは中学校ごとに持ち込みでしたので、まとめることができていました。一番いいのは中学校ごとにデータをソートできて、中学校ごとにまとめられるようになることだと思います。それくらいはできるものでなくては。

現在開かれている秋田県議会で予算が通れば、本格的に動き始めると思います。一定の業務効率化になることは確かだと思います。ただし、導入までの間に現場の意見を吸い上げる機会をつくるよう要望していかなければなりません。大事なのは、実際に今どのように業務が行われているかを把握することです。すでに県の方でやっていると思いますが、入試業務に関するフローチャートをもとに、どの段階で、どのような業務が、どうなる、だから効率化される、結果これにかかる時間が減る、ということをやってほしいものです。