No.12 PDCAサイクル
中教審の特別部会に限ったことではなく、結構前からこのPDCAサイクル)というものがブームになっています。何をいまさらと思われますが、一度このPDCAサイクルというものについておさえておくことも必要かと思い、項目をつくりました。
まずwikiからPDCAの項目を見てみます。https://ja.wikipedia.org/wiki/PDCA%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB
PDCAサイクル(PDCA cycle、plan-do-check-act cycle)とは品質管理など業務管理における継続的な改善方法。
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(確認)→ Act(改善)の4段階を繰り返して業務を継続的に改善する方法。主に日本で使われている。AをActionとする場合もある。
では「審議のまとめ」ではどのように使われているのでしょうか。
審議のまとめではPDCA(サイクル 注PDF内を単語検索する際、サイクルも入れるとおそらくスペースもカウントされるのかうまくいかなかったので、PDCAで検索した)という言葉は、計13回現れます。
具体的にどのようなサイクルかは脚注に記載があります。
・C(チェック):教師の在校等時間などの働き方や業務量の現状やその改善に向けた各学校における働き方改革推進の取組の進捗状況の把握など
・A(アクション):C(チェック)を踏まえ、学校全体が長時間の在校等時間となっている管理職へのヒアリングや特に長時間の在校等時間の教師についての改善策の検討、さらには、管理職マネジメント研修の実施の検討やCで把握した各学校における取組の進捗状況を踏まえた改善の検討など
・P(プラン):A(アクション)、すなわち教師の在校等時間などの働き方や業務量の現状やこれまでの取組を通じて改善を図った取組内容や好事例、そして取組の進捗状況を踏まえた改善方策の設定・公表など
・D(ドゥ):公表した内容をふまえ、各服務監督教育委員会及び各学校において働き方改革を推進など というサイクルが、各地域・学校の実情に応じて実施され、必要な環境整備等の改善につなげられることが必要である。
とはいうものの、ナレッジインサイトの用語解説(https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/alphabet/pdcaから引用)を参考にして文科省が考える流れに当てはめますと、
Check(評価)
これまで実行した(してきた)内容の検証を行います。特に計画通りに実行できなかった場合、なぜ計画通りに実行できなかったのか、要因分析を入念に行う必要があります。また、PDCAサイクルを運用する時の課題抽出の際には、必ずしも定量的なデータでなく、定性情報が活用されることもあります。Action(改善)
検証結果を受け、今後どのような対策や改善を行っていくべきかを検討します。Checkで仮説の検証、要因分析がしっかりと行えないと、誤った対応策を立て失敗することがあるため、注意が必要です。 生産・品質管理モデルに由来するPDCAサイクルですが、現在では戦略実行や経営管理、調達・生産・営業など各機能の業務改善に至るまで幅広く利用される「改善プロセスのお作法」ともいうべき、基本的なフレームワークです。Plan(計画)
目標・目的を設定し、実行計画(アクションプラン)を立案します。その際、ただ闇雲に目標設定をし、過去のやり方を踏襲した計画を立てるのではなく、なぜそのような目標を立てるのか、なぜそのような実行計画を立てるのか、自らの仮説に立脚した論理的なPlanを意識する必要があります。Do(実行)
計画を実行に移します。
これは持論でもありますが、仮にPDCAサイクルをフレームワークとして使用する場合、最も重要な要素はCheck(評価・検証)であると考えます。
C:これまでの施策の検証(特に、うまくいっていないのはなぜか)⇒ A:検証の結果を踏まえた改善策の提案(うまくいっていないのを良い方向に転がすためには何が必要か)⇒ P:改善策を組み込んだ次の施策と目標⇒ D:実施
ですから、C:色々な施策を講じてきたが、思ったように時間外勤務が減っていないのは「なぜ、どうしてこうなった」、というところの「なぜ、どうして」が審議のまとめから見えづらく、曖昧さが伺えます。そうすると、「時間外勤務が減っていない」という結果が強調されることになりますので、「減らすためには何が必要か」よりも「減ったという結果」のみに焦点が当たる方向に行ってしまう可能性があります。