GIGAスクール構想が進行し、端末の更新時期となっています。これを踏まえて、「NEXTGIGA」として、次のフェーズに入っていくそうです。その内容を見ていくとともに。
まず第一に、端末の更新が大きな話題となっています。最初に導入する際にコロナ支援金を使った配備をしたために、恒常的な予算としてすべてを入れることができず、特に高校では「個人持ち」の端末を使用するケースが増えそうです。
端末のスペックは、最初に提起されたスペックよりも高いものを推奨しています。とはいえIntel Celeron N4500以上を推奨する辺り、安価なもので大丈夫、という感覚だと思いますが、正直、個人持ちのこうした機器でIntel Celeron N4500を選択することはほぼないのでは。あくまで個人所有であるとすればサブノート的な扱いでになりますし、今の世代で2コア2スレッドはあまりにも貧弱です。ベンチマークでは第3世代corei5と同程度との話もありますが、私なら買わないです。とすれば、高校で個人所有となった場合、3年間のみ使用してあとは放置になる可能性が高いです。
chromebookか、WindowsPCか、Appleか。非常に悩ましいと思います。価格も決して安い買い物ではありません。ちなみに価格コムでタッチパネル、N4500で絞り込むと最低価格の機種はASUSの「B1100FKA B1100FKA-BP0402RA」です。ただしwindows10のため、11へのアップグレード(無償)が必要です。
すでに報道されている通り、現在の学校を取り巻くネットワーク環境は決して良いものではありません。なぜなら、自治体の予算を使うためです。コロナ禍で整備が進んだとはいえ、学校で無線LANなどで使用できる環境整備が最優先だったと思われます。そのため、PCでいえばできるだけコストパフォーマンスを求めた結果、そのようになったといえます。文部科学省は、全ての授業で一人一台端末などを使用できる環境を提言していますが、実態は学校全ての授業で使用すると劇的に速度が落ちるという状態です。
この状態を解消するために文科省、デジタル庁、総務省が大臣連名で業界団体に支援を求めました。楽天が手を挙げたようです。本来であれば、公共機関のインフラ整備に相当するものなので、国がもっと率先して整備に動く必要があると思います。
これは確かに推進してほしいところです。ただ、盲目的にこれにすがるのもどうかと思います。例えば、自治体の役所ではどうでしょうか。同様にDX化が推進されているものと思いますが、あまり進んでいないか、職員がその恩恵を感じていないのではないでしょうか。
その原因として、「現在の業務の流れ(フロー)」を十分に見直すことなく、デジタル化することそのものを優先しているからだと考えられます。業務効率化や業務削減を行う際は、業務にあたっている対象者の業務の流れを把握して行われるものです。出勤してから退勤するまで、ですね。対象者がどのような業務をいつ、どのような導線で行っているのかの分析が少ないのではないかと感じています。
統合型校務支援システムはgeminiによれば、
「学校における業務の効率化や負担軽減に役立つシステムです。教務系、保健系、学籍関係、学校事務系などの機能を統合して提供しており、手書きや手作業で行っていた作業をシステムで処理できるようになります 」
つまり、それまで行っていた業務の本質自体に変化はありません。手書きを打ち込みにする、規格を統一する、ファイルの検索をしやすくするといった効率化ができます。したがって、業務の効率化には一定の効果が見込めます。
ただ、よくシステムを導入することによる効果(メリット)が掲載されていますが、それの多くはすでにシステムがあろうとなかろうとそんなに変化はなかったのではないかと考えられます。
現状の教職員の長時間勤務においては、マイクロタスクを削減していくことだけではもはや追いつかない状況だと言えます。
ましてや、ロケーションフリーということは、どこでも仕事ができてしまうということなので、恐ろしさもあります。
ここでは生成AIについては多く触れていません。何故なら、日本国内において生成AIの認知度や成熟は十分ではないからです。非常に有効な技術ですし、使用できる範囲であれば、使用しても構わないと思いますが、魔法の杖ではないこと理解すべきだと思います。
現在、授業においても、教職員の校務においてもICT、DXといったことが推進されています。この技術は非常に素晴らしいもので、今後も十分に期待できる技術だと思います。ただ、カネ・ヒト・モノを最小限にするということは、今まで以上に教員一人が生徒一人ひとりを見取らなければならない状況になります。果たしてそれができるでしょうか。