学校閉庁日は原則、学校における活動、業務をおこなわない日として各都道府県、自治体でおこなわれている施策です。
秋田県では夏休みと冬休みにその期間を設けることになっていましたが、令和6年度は冬休み中は各校で対応することになりました。夏休み中の5日間程度(日程は各学校で決める)は例年通りです。
大阪府守口市のこんな報道がありました。
大阪 守口市 公立小中の学校閉庁日 夏休み期間中14日間に
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20240301/2000082427.html(NHK)
報道によっては夏季休暇が延長されたように見える記事もありますが、誤解せぬよう。
「夏季休暇(夏期休暇)」は条例等によって定められている特別休暇のひとつです。これは概ねどの自治体でも5日間以内と規定されています(国家公務員は3日以内でしょうか)。一方閉庁日は、あくまでも学校を閉庁するのであって、教職員は何らかの休暇を取得する必要があります。守口市の条例を見たところ、守口市の夏季休暇は6日間以内のようですね。
仮に守口市のように閉庁日を14日間にした場合、本当にすべての日数を学校に出勤しないとすれば、夏季休暇6日分プラス何らかの休暇を8日分とる必要があります。週休振替が特にない場合は、年次をとることになりますが、もし20日付与されているうちの8日となったら、結構ですよね。
おそらくこれは厚生労働省が一般企業に対してすすめている「年次有給休暇の計画的付与制度」を文科省的に解釈したものと捉えることができるでしょうか。本来は休暇は職員(労働者)のための制度であって、職員(労働者)の権利なんですけどね。
イメージ的には閉庁日を世間の方がさっと見れば、「開校記念日」や「夏休み」と似たようなものかなぁと感じられそう。開校記念日は生徒は休業日ですが普通に勤務日ですし、夏休みも生徒は夏期休業中でも普通に勤務していますからね。ほんとは勤務日だけど、閉庁日になったので仕事はしないで休暇を取ってください、ということです。
※20250722追記
夏休み、学校の先生は何してる? 長期休暇中も「ほぼ毎日出勤」のワケ【現役教師に聞いた】(All About)
こちらの記事に対するコメントに様々な反応があったようですので追記します。ここでは高校を例に出します。なお、秋田県の夏季休業は7月20日前後から8月20日前後までです。
①閉庁日の定義は自治体によって異なると思いますが、あくまでも「学校を閉庁する日」であって、「勤務が割り振られていない日」ではありません。したがって、何らかの休暇・週休振替などをする必要があります。これについては前述のとおりです。ただ、労使協定はありません。
②本県においては「閉庁日は原則、夏季補習や部活動等を行わないこと(勤務しないこと)」になっています。ただし例外はあります(どうしても生徒対応する必要がある、大会が近いなど)。
③ほとんどの高校では終業式の次の日から夏期補習がスタートします。学校によっては午前だけ、3年生は午後までなど。大抵の場合、午前中に何らかの補習があって、午後部活というケースがほとんどだと思います。1、2年生は1週間程度でしょうか。
3年生で就職試験を控えている場合は、学年でまとめて履歴書の書き方指導や応募前職場見学等の対応をすることがあります。これについては場合によってはお盆休み以外の時間をまるっとかけることもあります。
④通常の学期中よりは休暇(時間休含む)をとることが可能と思います。ただし、カレンダーマジックもありますので一概には言えませんが、8月の勤務日が10日を下回ることはないのではないかと思います。夏休みが関東より早く終わるためです。
※高教組や各地の教職員組合は、閉庁日に年次有給休暇や夏季休暇、週休振替を事実上強制的に取得を求められることは、労働者の休暇取得の権利を損なっているとして、「休暇等の取得は各教職員の判断に任せる」ことを要求しています。これに対して教育委員会は「全員が取得するようにすることで休みを取りやすい雰囲気をつくる」ために実施していると回答しています。