No.3 給特法
給特法:公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法 (1972年施行)
成立までの経緯:https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/042/siryo/attach/1259040.htm(文科省)
教職調整額の経緯:https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/041/siryo/attach/1417551.htm(文科省)
非常にざっくり言いますと、この法律制定前も「時間外勤務手当が出ない、超過勤務が常態化、給与の優位性低下」という、今日と似たような状況で、全国的に裁判がおこなわれました。結果、この状況を打開するためにこの法律を制定したといえます。
主によく取り上げられるのは次のようなことです。
①原則、時間外勤務を命じることができない。命じることができるのは特定の4つの項目のみ。
②教員の職務を包括的に評価した「教職調整額(月例給の4%)」を支給。給料の一部として取り扱う。
③時間外勤務手当を支給しない。
厳密に言うと①は「公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合等の基準を定める政令 」で定義されています。給特法は、結果的に超過勤務を助長していると言われますが、本来は①の通り、「教育職員については、正規の勤務時間の割振りを適正に行い、原則として時間外勤務を命じないものとすること」とされていて、「時間外勤務を命ずる場合は、次に掲げる業務に従事する場合であって臨時又は緊急のやむを得ない必要があるときに限るものとすること」となっています。
イ 校外実習その他生徒の実習に関する業務
ロ 修学旅行その他学校の行事に関する業務
ハ 職員会議(設置者の定めるところにより学校に置かれるものをいう。)に関する業務
ニ 非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務
要は、法律、政令を可能な限り遵守していれば、今日的な状況になるはずがないわけです。超過勤務を月45時間以内にする規定はあるものの、他の公務員とは手当の支給の有無が異なるので、同じく見ることが適当とは言えません。
だからこそ、今このことについて話題になっているわけですね。部活動に関する規定もありませんし。