No.20 主幹教諭、指導教諭、新たな職

この度の中教審特別部会「審議のまとめ」では、メリハリをつけた給与体系の一環として、「新たな職」の創設について言及しています。イメージとしては東京都ですでに実施されている「主任教諭」に類するものと考えられます。その前に、すでに導入されている主幹教諭、指導教諭についても見ていきましょう。

学校教育法第37条において、次のように定義づけられています。

〇主幹教諭は、校長(副校長を置く小学校にあつては、校長及び副校長)及び教頭を助け、命を受けて校務の一部を整理し、並びに児童の教育をつかさどる。 

〇指導教諭は、児童の教育をつかさどり、並びに教諭その他の職員に対して、教育指導の改善及び充実のために必要な指導及び助言を行う。 

主幹教諭と指導教諭が定義づけられる際、給料表での取り扱いも多くの地方公共団体で改定されました。それは2級(教諭)と3級(教頭等)の間に「特2級」という級を新たに設けるというものです。

ちなみに秋田県は小学校、中学校に主幹教諭の職がありますが、高等学校にはありません。また、特2級も導入されておらず、教諭と同様の2級内で運用されているものと思われます。

東京では1級から6級が設定されており、3級が主任教諭、4級が主幹教諭または指導教諭となっています。

同じく東京では勤務歴8年で教諭から主任教諭への昇任試験が行われています。

質の高い教師の確保特別部会の議論の中で、「新たな職を設置することは、教員のモチベーションの向上につながってよいと考えます。キャリアプランの中間的な道しるべになると考えるからです。さらに給料表上に、新たな級を創設し、処遇改善と結びつけることは意義があると考えます。また、東京都では8年目に受験ができるんですが、教員にとっては、この8年目の受験が明確な目標になっています。一定の仕事を覚えて、大変よい時期だからです。さらに、組織としても、主任教諭になったら、○○主任という役割を与えて、さらなる力量アップにつなげる。または経営参画意識を高めるというようなよさがあると考えております」(文部科学省 質の高い教師の確保特別部会20240419 議事録 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/099/giji_list/mext_00013.html)といった発言もありました。

今夏(2024年)人事院が公表するであろう「給与制度のアップデート」のこともありますし、東京都で実施されている制度の検証が求められているのではないでしょうか。