No.8 在校等時間とは

教職員の長時間勤務の改善は喫緊の課題です。そのため、学校で仕事をしている時間を把握する目的でICカードでの出退勤記録が全国で行われています。正しく記録するために、文部科学省が定義している在校等時間を今一度確認してみましょう。

※公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインの運用に係るQ&Aから引用します。

〇基本的な考え方

在校等時間=在校している時間+①校外において職務として行う研修や生徒の引率等の職務に従事している時間+②在宅勤務の時間ー③勤務時間外における自己研鑽及びその他業務外の時間(自己申告)ー④休憩時間(所定の勤務時間が6時間以上8時間未満の場合、45分)

【時間外在校等時間=在校等時間ー正規の勤務時間(7時間45分)】

〇それぞれの具体例

校外において職務として行う研修や生徒の引率等の職務に従事している時間

職務として行う研修には、初任者研修や中堅教諭等資質向上研修といった法定研修のほか、都道府県教育委員会主催の研修等、職務命令により参加する各種の研修が含まれます。ただし、いわゆる職専免研修は、ここでいう「職務として行う研修」には含まれません。

職務として行う児童生徒等の引率には、校外学習や修学旅行の引率業務、勤務時間内の部活動の競技大会・コンクール等への引率業務のほか、所定の勤務時間外の部活動の練習試合等への引率業務などが含まれます。 

このほか、校外の勤務であって対象として合算することが考えられる業務としては、児童生徒等の家庭訪問、警察や児童相談所等の関係機関との打合せ等が挙げられます。

②在宅勤務の時間

持ち帰り仕事は除きます。ただし、テレワーク等公的に申請・許可されたものについては含まれます。

勤務時間外における自己研鑽及びその他業務外の時間

勤務時間外における自己研鑽とは、日々の業務とは直接的に関連しない、業務外と整理すべきと考えられる自己研鑽の時間を指しています。 

具体的には、例えば、所定の勤務時間外に、教師が幅広くその専門性や教養を高めるために学術書や専門書を読んだり、教科に関する論文を執筆したり、教科指導や生徒指導に係る自主的な研究会に参加したり、自らの資質を高めるために資格試験のための勉強を行ったりする時間のようなものを想定しています。 

その他業務外の時間とは、所定の勤務時間の前後における時間のうち、業務とはみなされない活動を行った時間のことを指しています。  例えば、朝早めに出勤して新聞を読んだり読書をしたりする時間や、所定の勤務時間終了後の夕食の時間、学校内で実施されるPTA活動に校務としてではなく参加している時間、地域住民等としての立場で学校で行われる地域活動に参加している時間等が考えられます。 

注意点!

土日や祝日などの業務も、校務として行っている勤務の時間については「在校等時間」に含まれます。

※なお、「校務」は教職員給与の在り方に関するワーキンググループ配布資料において、次のように述べられています。

「校務」とは、学校の仕事全体を指すものであり、学校の仕事全体とは、学校がその目的である教育事業を遂行するため必要とされるすべての仕事であって、その具体的な範囲は、1.教育課程に基づく学習指導などの教育活動に関する面、2.学校の施設設備、教材教具に関する面、3.文書作成処理や人事管理事務や会計事務などの学校の内部事務に関する面、4.教育委員会などの行政機関やPTA、社会教育団体など各種団体との連絡調整などの渉外に関する面等 

また、現在運用されている校務支援システムにおいても超過勤務の理由には、部活動、教材研究(授業準備)、成績処理等の選択肢があるため、少なくともこれらは「校務である」とみなされると思われます。