2025年5月22日、県庁第2庁舎にて教育長交渉が行われました。教育長交渉は年度のはじめに行われる交渉で、教育長をはじめ、県教育庁のほぼすべての課長またはチームリーダー等が出席します。
今年度も同様の形式で行われました。要求書に基づいた回答は1時間という交渉時間の制約上、すべてを網羅することはできませんので、今後個別に協議していくことを確認しました。
教育長からの回答(挨拶)と高教組執行委員長の挨拶は次のとおりです(概要)。
※5月27日現在、組合員限定ページに詳細を作成中です。組合員の方はそちらもご覧いただけますが、今しばらくお待ちください。
あらためて教員の働き方に注目が集まっている。学校内だけでなくさまざまな立場からも「教職員数を増やすべき」「持ちコマ時数の上限規制をするべき」「残業代を支払うべきだ」「これまであった手当は削らず、教職員調整額も一気に引き上げるべきだ」との声が上がっている。
「カリキュラム・オーバーロード」つまり現行の学習指導要領の内容が、教える側にとっても学ぶ側の子どもたちにとっても目一杯となっていて、両方の負担が限界に達している。さらに、教育のICT化・グローバル化としてデジタル学習基盤の整備がすすめられているが、生徒の実態に即したものになっていない。
働き続けられる職場に必要なものは、ゆとり、なかま、日常の仕事に関する労働者の一定の決定権の3つだという。こういう職場をつくり出すことが、組合の重要な存在意義だ。県教委がすすめる施策が学校現場でどのような影響をあたえているのか、お互いの意見をすりあわせることで協力共同のよりよい職場づくりにつなげていきたい。
高校再編整備計画については県民の関心も高い。男鹿地区は令和11年度、横手地区は令和13年度に統合校が開校の予定だ。その他の地域に関しても今後さまざまな議論がすすめられていくことになる。ぜひ、学校現場の声を聞かせてほしい。
秋田県開催の高総文祭もいよいよ来年7月開会となり、それを前にプレ行事も数多くおこなわれる。今年の香川県での高総文祭参加も含めて、生徒・教職員のみなさんにはご負担をかけると思うが、成功に向けて協力してほしい。
教員採用試験について、今年度は新しいとりくみをしている。今後の生徒減、定年延長も見据えて中長期的視点にたった採用計画を立てていく。
多忙化解消について、昨年度の調査では平均超過勤務時間が43.2時間で、前年より2時間減となった。学校内の工夫もまだまだできると感じている。
人事評価の賃金反映はこれまでずっと導入を見送ってきたが、この春に人事委員会規則が変わり、導入に向けて動かなくてはいけない状況である。令和10年からのスタートで管理職は1年早く令和9年度からとなる。
国の動きも変化が多い。教職員にとって良い変化もあるが、それと抱き合わせで改革の負担もある。ただし、めざす方向性は同じだと感じている。一緒に考え、とりくんでいこう。
(高教組)賃金に関して、寒冷地手当の全県支給を強く求める。前知事も「機械的な改定」であると批判していた。県として反対である旨を国に強く要望してほしい。
(県教委)つい先日各校に通知をしたところだ。3年の経過措置の間に動きがあれば、その都度すぐに伝えていく。大きな問題だという認識を持っており、丁寧に対応したい。国へも要望していく。
(高教組)勤務評価と賃金のリンクをおこなわないこと。評価そのものはすでにおこなっている。賃金にリンクさせる必要はない。生活にかかわる問題であり反対する。
(県教委)地公法の改定ですでに全国で導入されているもの。導入しないことは考えていない。制度設計に向けたワーキンググループを立ち上げ、協議している。理解してほしい。
(高教組)教職員不足の解消を急ぐこと。正規採用をすすめること。やってくれる人、管理職が頼みやすい人に仕事が片寄っている。中長期的な採用計画と言われたが、今いる生徒に負担がかかってはいけない。未配置問題を早急に解消してほしい。
(高教組)デジタル化をすすめているが、回線速度が十分でなく、業務開始時間のあたりで固まってしまう。ネットワーク強化についてどう考えているのか。
(県教委)意見は多くもらっていて、課題としている。年次対応で改善を図っている。
(高教組)教育長から平均超過勤務時間の話があったが、超過勤務の内訳は把握しているのか。
(県教委)今手元にはないが、校長会では資料として出した。32%くらいが部活、30%くらいが文書作成だった。