特定の本の購入を進めているわけではありません。ただ、このタイトルには身につまされる思いを持つ方もいるのではないでしょうか。というわけで、教員が自腹切ってやっていると思われることについて、見ていきましょう。
公立学校の運営に係る予算は、自治体(主に都道府県)から配当されているものと思います。高校でいえば、学校ごとに在籍生から徴収されるもの、学年ごとに徴収されるものなどがあるのではないでしょうか。公立学校だろうとなんだろうと、予算内で運用していること自体は変わりありません。
運営はその予算内で実行されるべきものですが、ではなぜ教員が自腹を切る場面が出てくるのでしょうか。一番わかりやすい例は部活動です。
例えば、部活で必要になる資格、大会で必要な着衣など。そういったものは基本、教員の個人負担です。学校によっては「特別活動費」「後援会費」「PTA関連」「部費」から支出している場合もあると思います。
そもそも論、それが学校によって違っているのって変じゃない?
例えば前述した部活関連の「資格」。各競技の審判資格、機材を扱うための資格などなどあるわけですが、「個人に属する資格」としての性格を持つため公的な費用とはならないという結果になると思います。
つまり、その人が別の競技の部活になったり、異動したりなどなど、必ずしもその学校のその部活をやるわけでもなく、結果として(更新が必要な場合はありますが)その部活業務に関係ないその人個人が資格を保有するということになる、ということですね。
このことが問題になっているのは「部活動問題」と関わりがあるものと考えられます。もちろんそれ以外の物品購入や費用についても、教員が人知れず自腹で払っているケースはあると思います。いずれにしても、「業務として行っているはずなのに、なぜ自腹を切らなければならないのか」ということに尽きます。
大きいのは、授業に必要なもの、早めに欲しいものがあったとしても、ぱぱっと購入することができないため、面倒になって自分で支払うケース。
これは学校が公的な予算で動いている以上やむをえないものと言えますが、一定の金額以上では見積もり、入札などが必要になることも関係しています。生徒会費や部費のような性格のものであれば、立替え領収書払いも可能ではあります。ただ、立替える金額が高額になるとかなりきついと思います。
あとは一般企業でいえば、どこまでが経費か、ということではないかと。
5 おわりに
なんとなく自腹で払ってしまうケースは結構あると思います。本来は学校の予算で購入できると思われるものであればなおさらです。「これは学校の予算で購入できるかどうか」ということがわかればいいわけです。
こうした一般的なものではなく、資格取得にかかる費用などの場合は、「個人に帰属するものとはいえ、それが業務上必要なものであるならば、公費支出をすべき」であることを寄ってたかって言い続ける必要があります。大会参加に帯同審判が必要だったり、資格取得がほぼ義務付けられている場合もあります。「部活のためだし、しょうがない(教員談)」ではなく、任命権者は少なくとも業務上必要な支出はすべきと考えます。
もちろん、「嘘だろ?」と思うほど高額なものを自腹で購入される例も見て来ています。「学校にはお金が無いから自分で買うしかない」場合です。しかし、本当にそれでいいのか?という疑問は持っていたいものです。