私たち高教組は本当にたくさんの署名を行っています。これは教職員に関するものだけでなく、広くみなさんの生活にもかかわってくる内容のものも、共同で行っています。そこで気になることは「署名」にも住所まできちんと書くもの、名前だけのものなど、なぜか書き方が違うものがあります。なぜ、こういった違いがあるのかをここでは見ていきます。
請願・陳情は、地方公共団体の機関(地方自治体)に意見を伝え、政策や措置を要望する手段です。このうち「請願」は議員の紹介が必要な場合があるのに対し、「陳情」は紹介が不要です。いわば「陳情」は誰でもできます。なお署名活動は、憲法第16条で保障される請願権の行使であり、表現の自由によって保護される活動です。 ※自治体で異なる規定がある場合もあります。
「署名活動」は、請願や陳情の内容に賛同する人々の署名を集める行為であり、憲法で保障された請願権の行使につながります。署名簿には署名した人の氏名、住所、押印などが必要ですが、提出する議会や団体によって書式が異なります。
署名によっては住所の記入が必要なもの、そうでないものと見かけると思います。「請願」署名を行う場合は、議員の紹介が必要であり請願の趣旨に賛同したものの一人(請願者の一人である)、という意味合いのため、法律等に則って「住所(省略せず)・氏名」が必要です。
「陳情」または「要請」という内容で署名活動をすることもありますが、こちらは法律等で「こうしなければならない」といったかたちはなさそうですが、よりその陳情や要請に正当性を持たせるためには、署名した者がはっきりしている方が良い、ということになります。とはいえ、ものの署名によっては氏名だけでOKというものもあります。
署名活動をすることは、請願そのもの、陳情そのものに必ずしも必要なわけではありません。ただし、3で述べたように「請願」においては、住所までしっかり書くことによって「その請願をする一人なのだ」ということを証明しなければなりませんから、その人数が多ければ多いほど「その請願の主旨に賛同している」という声が大きいと言えます。請願は議員の紹介も必要ですので、間違いなく議会等にかけられ採択が行われるため、「多くの署名が集まっている=賛同しているものが多い=要求として重い」、と議会が思うかどうかはわかりませんが、少なくともそうした見方をされると思います。
陳情・要請も、必ずしも署名活動が必須というわけではありませんが、「多くの署名が集まっている=賛同しているものが多い=要求として重い」ということ自体は同様です。
国民が間接民主制のもとで直接議会等に意見を出すことができる。それが請願・陳情であり、それに参加する手段が「署名すること」ということもできます。
当然署名をお願いしている手前、高教組としては署名してほしいと考えていますが、しかし、請願、要請、陳情をみて賛同するかどうかはみなさんが決定するものです。私たちは教職員、児童生徒、労働者、社会保障など様々な分野で署名活動を行っています。ぜひ、ご賛同いただければ署名をお願いします。