※秋田県公務公共業務労働組合共闘会議とは、秋田県の公務に関わる労働組合の共闘組織です。
自治労連秋田県本部、医労連、秋田県国公(国家公務員)、高教組などで構成されています。
2025年9月25日、秋田県総合庁舎で秋田県人事委員会事務局と会見(会見と言っていますが、内容は意見交換です)を行いました。秋田県公務共闘から8名、人事委員会事務局から5名が出席し、提出した要請書をもとに協議を行いました。
要請書への文書回答は通りいっぺんのもので、踏み込んだ回答はありませんでした。
協議では、人事院勧告をベースにした意見交換を行いました。月例給の引上げ、期末勤勉手当の引上げ、通勤手当の改定、宿日直手当の改定、会計年度任用職員に関する4月遡及問題などです。
・人事院勧告では初任給が1万円強と昨年度よりも引上げ幅を抑えた一方、中高年齢層に昨年度以上の引上げられる方針です。
・自家用車通勤の通勤手当について、人事院勧告では引上げ勧告でしたが、秋田県では改定される方向ではないようです。ただし、やむをえず自家用車で通勤する際に駐車場を借り上げている場合に、5,000円を上限に新たな手当が創設される運びになりそうです。
・宿日直手当は国と同様、引上げる方針です。
・寒冷地手当については引き続き「全県支給の回復」を求めています。
・教職員関連については「主務教諭を導入しないこと」「義務教育等教員特別手当を現行通り全教職員が一律の割合をもとに支給されること」を要請しました。人事委員会が決定することではなく、教育委員会が決めることという発言でしたが、この制度の問題点を指摘し、教育委員会から照会があった際に指摘したことを考慮してほしいと要望しました。
・定年延長対象者満61歳以降給料3割減については、民間調査での結果は調査数の1割にも満たない事業所のやり方を採用したもので、整合性に欠けることを主張しました。公務員がこのやり方をやった結果、後追いするかたちで同じように減額する事業所・企業が増えていることがわかっています。ここについては「民間準拠」ではなく「公務先行・民間追随」といえます。
・暫定再任用(定年前再任用短時間含む)については、月例給給料表の一番最後に部分に「定年前再任用短時間勤務職員の基準月額」が記載されています。なぜか「教育職2級」と「公安職3級」の基準月額が他の職種よりも低い割合となっています(各級の基準月額/各級の最高号給で計算した場合)。基準月額の正確な計算方法は公表されていません。他の職種では7割を超えますが、上記の2つについては6割台となっています。
このことを指摘したところ、人事委員会事務局は「そのような計算方法ではなかったはずだが、今回初めて分かった」と述べました。正確な算出方法については言及されなかったものの、こうした場で指摘したことにより今後調査が行われるものと期待されます。
・長時間労働については地方公務員全体の数字を提示し、教職員の平均時間外在校等時間の突出した数字を改善する必要があると指摘しました。なお、秋田県が国の統計調査で出した行政各所の平均時間外勤務は月12時間程度です。ただし、サービス残業がおこなわれていることは考慮する必要があります。
しかし、明らかに教員の時間外は他を凌駕しており、「行政職等とは違うから」という理由では説明できません。このことについて「任命権者に強く改善を求めてほしい」と要請しました。
※この3年間、公務員の初任給は大きく引き上げられてきました。これ自体に反対するものではありませんが、中高年齢層はそれに対して低い引上げ率だったことは大きな問題でした。そして、これについて人事院、人事委員会は「民間に流れる人材を公務職に惹きつけるために、人材確保の観点から初任給を引上げることは必要である」という説明をしていました。しかし、その結果に対する検証がされているわけではありません。
公務共闘として「そうした給料改定を行ったのだから、その施策の評価、検証するのは当然ではないか」と指摘しています。