教科「情報Ⅰ」が必履修科目になり、3年目になりました。今年度大きく話題になりそうなことが、新課程実施後初の共通テストだと思います。もちろん他教科・科目も注目されるものですが、情報はそのなかでも色々な意味で注目されています。
さて、高校の情報はどのような状況なのでしょうか。
秋田県内だけでなく全国の高校の教育課程をさっと見てみました。情報Ⅰについては・・・
①情報Ⅰを1年生(1年次)で2単位修得。
②情報Ⅰを2年生で2単位修得。
③情報Ⅰを1~2または2~3年生に年をまたいで1単位ずつ修得。
というケースがほとんど。この他、学校設定科目や情報Ⅱを選択できる教育課程もあると思います。
大学入試センターや文科省、各大学から共通テストのサンプル問題が公開されていますが、実際にどのような問題になるかはわかりません。しかし、仮に受験生である3年生のときに(試験という形態において他教科と明らかにつながりが少ない)情報系の授業が無い場合、「補習」することになると思います。確かに過去の共通一次、センターでも「1年生のときにしかやっていない教科科目」を選択することもあったと思いますが、果たしてそれと同じ感覚でよいのでしょうか。
各大学による「情報」の取り扱いもまちまちで、国立大学間でも「受験科目だが配点しない」「50点換算」「通常通り」などと、その対応は分かれています。
新課程の情報Ⅰが必履修となり、新課程がスタートしたとき、情報を受け持つ教員の在り方が問われました。それは、免許外教科担任と臨時免許状発行によって、情報が進められていたことが世に明らかになったからです(今年は減りましたの記事。共同通信https://news.yahoo.co.jp/articles/5bc6f0710c02c74aea02c608e5dcd6525e1ca383)。記事の通り、臨時免許や免許外申請は確かに減少しました。しかし一方で「現職他教科教員の情報免許取得」がここ2、3年で急増しました。過去、理数や商業などの免許(この教科で採用された先生方)を所持している方が、講習を受けて情報の免許を取得できる仕組みがありました。当時、その制度で情報の免許を取得された方もいらっしゃると思います。つまり、「情報で採用された教員を増やして配置できた」わけではなく、「もともと別の教科を担当していた教員が情報の免許を取得した」ことによって、免許外などの申請が激減したといえます。それによって、「数学採用の方が情報を受け持つ」などといったことがその実態です。秋田県ではそれが顕著になっています。
問題②であげたような実態があるわけですが、決して「該当する教員を批判」しているわけではありません。複数教科の免許を取得することは過去、いくらでもありましたし、大学でも副科で取得できます。授業でも過不足なく学習を行うことができていると思います。問題はそこではなく、「教員採用試験において、情報の教員を採用して来なかったのはどうなのか」という点です。
特に秋田県において情報科での採用は2024年4月現在で「2人」です。2024年4月に採用された人数ではなく、過去遡ってもこの2人だけというのは、驚くのではないでしょうか。教職員定数の面から見て教科ごとに採用したい人数もあるのでしょうが、疑問を抱かざるをえません。そんな秋田県はICTの先進事業を行っていることになっています。