熊本市は、熊本地震から10年の節目を迎えるにあたり、犠牲となられた方々への追悼と復興を支援された方々への感謝を込め、航空自衛隊の協力によりブルーインパルスの展示飛行を実施した。
4月11日、航空自衛隊の曲技飛行チーム「ブルーインパルス」が、熊本市、益城町や南阿蘇村などの上空で展示飛行を披露した。晴天のもと、ブルーインパルスの6機が熊本城の上空に現れ、白いスモークを引いて空に絵を描き、復興が進む街を励ました。
東日本大震災発生当時(2011)、ブルーインパルスの所属する宮城県松島基地には津波が押し寄せ、全ての航空機が壊滅的な被害を受けた。しかしブルーインパルスは、展示飛行のために別の基地へ展開していたtめ、奇跡的に難を逃れ、熊本地震の翌年の2017年4月には熊本市上空で展示飛行を行っている。
熊本地震から10年が経つと、マンション修繕用足場なども姿を消し、被害の痕跡は、甚大な被害を受けた熊本城(完全復旧は2052年)を除き、見掛けることはできないと言っても過言ではない。改めて、10年を振り返り、割れ残った日奈久断層の状況について調べてみた。
平成熊本地震回数
主な地震回数・特徴は以下の通りである。
総地震回数: 4,400回以上(2018年4月30日時点、震度1以上)
震度7: 2回(4月14日、16日)
震度6強: 2回
震度6弱: 3回
震度5強・弱: 計12回以上
震度1以上の地震回数は、発災から15日間で2,959回に達するなど、長期にわたり活発な活動が続いた。
熊本地震の被害
人的被害
人数 死者 275人 うち、地震による直接死 50人 関連死 225人 重軽傷者 2,739人 計 3,014人
住家被害
被害棟数 全壊 8,642棟 半壊 34,389棟 一部破損 155,230棟 計 198,261棟
被害棟数を自治体別に見ると、最も多いのは熊本市の12万2761棟で、次いで益城町が1万584棟、宇城市が8608棟などとなっていまる。
復興の現状・主な成果
道路・鉄道の全線開通: 震災で寸断された交通網(阿蘇大橋、南阿蘇鉄道など)が全面的に復旧し、物流や観光が再開。
住宅・生活再建: 仮設住宅の解消と公営住宅の整備が完了し、被災者の生活再建が進んでいる。特に被害の大きかった益城町では、区画整理事業により新たな宅地の引き渡しが進んでいる。
熊本城の復旧: 復興のシンボルである天守閣の修復工事が2021年6月に完了し、内部公開されている。現在は石垣の積み直しなど、長期間にわたる本格的な修復が継続中。2052年完了予定。
創造的復興: 単なる元の姿に戻すだけでなく、将来の災害に備えた防災力の高いまちづくり(インフラの強靭化)が進められている。
住宅の耐震性について
平成熊本地震の全てを自ら経験した身として、教訓があるとすれば、建物の耐震性についてである。1993年、親から相続した家を建て直す際に考慮したのは過去の地震に於ける実績であった。建築業者に相談した際、千葉県東方沖地震(1987)の被害に注目した。その結果、フレームは軽量鉄骨、外壁はセラミック(PALC)仕様にした。熊本地震発生時、築後23年経過していたが全く損傷はなかった。
最近の傾向(日奈久断層に注意)
熊本県水俣市や天草・芦北地方で3月15日以降、地震が相次いでいる。4月14日までに2回の震度4、3回の震度3、11回の震度2を記録し、震度1以上が40回近くになった。福岡管区気象台が24日会見し、「10年前の熊本地震の断層帯に直接的な動きがあるかは不明だが、関連を注視している」と話した。
熊本地方気象台によると、水俣市では15日夜、八代海沿岸の深さ7キロを震源とするマグニチュード3.9の地震が起き、震度4を記録。21日夜にも深さ8キロの地震で再び震度4を観測した。
熊本地震後、熊本市周辺や阿蘇地方では地震活動が低下したが、日奈久断層帯と呼ばれる断層の密集地の南西側に近い水俣市や周辺では、「熊本地震以前の状態に戻っていない」という。
10年前の熊本地震の前震(2016年4月14日、最大震度7)は、この日奈久断層帯の北東側が活動して起きたが、南西側は動かずに残ったとされている。
日奈久断層帯は、30年以内の地震発生確率がもっとも高いとされる「Sランク」に位置づけられている。「地震の発生場所は、日奈久断層帯の南端部にあたり、やや東側に離れているものの断層帯が関連していると考えるのが妥当と注意を呼びかけている。
熊本・水俣市周辺で地震が相次ぐ 日奈久断層帯との関連指摘も(朝日新聞2026年3月25日)
これまでに取り上げた熊本地震関連のブログ一覧
2024
地表に現れた共役断層 ( 熊本地震, 益城町谷川, 国指定天然記念物. 見学施設)
2023
シェイクアウト訓練 (平成熊本地震, 熊本市災害情報メール)
2022
萌の里2022(コスモス,復興,大切畑ダム)
平成熊本地震はどの程度予測されていたか (地震調査委員会, 3年前の確率)
2021
熊本城長塀(熊本地震,復旧, 桜)
新阿蘇大橋 (熊本地震, 工法, 工期)
2020
国道57号・北側復旧ルート開通(大津,阿蘇,10分)
2019
熊本県内地震予想 その2 次なる大地震に備えよ(NHK熊本)⬅︎⬅︎⬅︎⬅︎⬅︎⬅︎
熊本県内地震予想 その1 近い将来再び大地震(熊本日日新聞)⬅︎⬅︎⬅︎⬅︎⬅︎⬅︎
地震後3年の熊本城(二の丸,大天守,小天守,宇土櫓,戌亥櫓)
2018
2017
阿蘇外輪山西麓のコスモス(復興)
2016
戌亥櫓(もう一つの角石一本櫓) (熊本地震)
近所の地震被害(熊本地震) ⬅︎⬅︎⬅︎近所の被害⬅︎⬅︎⬅︎
熊本地震(2016年) ⬅︎⬅︎⬅︎自宅の状況⬅︎⬅︎⬅︎
2015
参考資料
熊本地震デジタルアーカイブ
追記
ブルーインパルスパイロットについて
2番機の松永大誠3等空佐は、熊本県立済々黌高校を2011年3月に卒業し、防衛大学校(神奈川県横須賀市)を経て航空自衛隊に入隊した。23年7月からブルーインパルスの2番機のパイロットとして活躍し、大阪万博や東京オリンピックでも飛行した。
(2026.4.15)