ブラウザ上で実行

化学構造式描画アプリKetcher

友人からChemDrawに代わる化学構造式描画ソフト(無料)についての問い合わせがあったので,使用した経験のあるMarvin-Sketchを紹介した.念のため,提供元のHPを調べてみると,いつの間にか個人・非商用利用向けの無料ライセンスの提供は終了していて,アカデミックプランと商用プランだけになっていた.その際,代わりのソフトを探してみたら,EPAM Systemsがブラウザ上で実行可能なKetcherというソフト提供してることを知った.以下はその利用記録である.

ダウンロードページから最新版を選択すると,Ketcher 2.21.0版の詳細が表示される.Ketcher distributionsからKetcher 2.21.0 standalone を選択する.

ダウンロード

  https://lifescience.opensource.epam.com/download/ketcher/ketcher-2.21.0.html

    1) https://lifescience.opensource.epam.com/downloads/ketcher/ketcher-v2.21.0/ketcher-standalone-2.21.0.zip 👈

   2) https://lifescience.opensource.epam.com/downloads/ketcher/ketcher-v2.21.0/ketcher-remote-2.21.0.zip

   remoteの方がファイルサイズが小さく,standaloneの1/3程度.

インストール

ketcher-standalone-2.21.0.zipを解凍

Ketcher 2.6 remote版もインストールしてみたが,機能面に差はなかった.しかし,リモートには,スタンドアロン バージョンよりもフォーマットオプションが少なくなっている.参考資料

index.htmlをクリックするとブラウザ上にプログラムが展開される.

上下左右にメニューが表示される.上段は入出力など.右端は原子種,左端は各種操作,下端は代表的環状置換基群と構造ライブラリ等が選択できる.ツールアイコンにマウスカーソルを近づけると説明が表示される.

構造ライブラリの例

反応式の描画

保存

17種類のフォーマットが選択可能である.反応式は標準のKetフォーマットで保存する.単分子場合,CMLフォーマットで保存すれば,Avogadro等との連携が可能であり,分子計算用の入力データを作ることができる.ChemDrawとの互換性を保つにはCDXML形式で保存する.画像で保存する場合はPNGフォーマットを選択する.

類似のアプリにくらべて,反応式が書きやすいとの印象を得た.詳細は参考資料を見てほしい.

(2024.8.22)