国際単位接頭語の追加


国際単位系(SI)の接頭語,クエタ,ロナ,クエクト,ロント

科学記事を見ていたら,見慣れない単位である「ロナ」に目が止まった.Google検索するとAIが答えてくれた.

  2022年11月18日、国際度量衡総会で国際単位系(SI)の接頭語に4つが追加されました。

新たに追加された接頭語は、10の30乗を示す「クエタ(quetta)」、10の27乗を示す「ロナ(ronna)」、10のマイナス30乗を示す「クエクト(quecto)」、10のマイナス27乗を示す「ロント(ronto)」です。

SI接頭語は、10のべき乗を表すもので、SI単位と共に用いられます。たとえば、ギガ(10の9乗)やミリ(10のマイナス3乗)などです。

SI接頭語は十進数の桁数(主に3桁ごと)に名前が定められており、大きな数を表す接頭語は最後をa、小さな数を表す接頭語は最後をoとしています。また正の指数は大文字、負の指数には小文字を使うことを原則としているらしい.

 どのような「量」の計測のための単位か生成AIに尋ねたが,以下のような回答で具体例なものではなかった.

 10の30乗を表す「クエタ」は、1000兆(10の15乗)の1000兆倍という天文学的な数値です。

クエタは、スマートフォンのデータ容量でよく聞く「ギガ(10億)」や、小さな細胞の大きさを示す「マイクロ(100万分の1)」よりも大きな数を表します。

 いろいろ調べてみると,関係者の見解が書かれていた.

  今回の拡張により、素粒子レベルから宇宙の果てまで、人間の認識する空間全てを包含すると思う。そこまで科学のフロンティアが来ている」.

下表の赤字部分が追加された単位である.

  更に調べてみると,拡張単位に最も近づいているのは情報量らしい.デジタル情報の急増などを背景に,31年ぶりにSI接頭語が拡張されたと指摘している人もいる.

  社会の高度デジタル化により,蓄積されるデータの量は,これまでにない速さで増加し続けている.現在は1年間に16.3ゼタバイトのデータを生み出して記録されているという.当分はゼタバイトで表すことができる量で推移すると思われる.ゼタバイトは10の21乗,10億テラバイトである.さらに2025年までには,163ゼタバイトに増加すると言われている.ゼタの1000倍はヨタである.それを超えると今回のロナになる.

  テラ(10の12乗)といえば,我々の実生活でも散見する.最近のパソコンはハードディスクドライブの代わりにSSD(Solid State Drive) を使用することが多くなった.256GBが標準的であるが,512GBや1024GBを使用している人も多くなった.1000GBは1テラバイトであり,テレビの録画には数テラバイトのHDDの使用が普通になった.1テラバイトのHDDなら地デジの場合,125時間録画可能である.テレビの録画予約をしている人は,膨大なデジタルデータを無意識に蓄積しているわけである.最近,NHKは放送済みの番組をデジタル化して提供している(NHKプラス).自分で予約録画した番組を視聴したら消去するのであれば,NHKプラスを利用した方がよい.スマホで写真や動画を撮る,カードで買い物をする,病院でCTやMRIを撮るなど,人間が動けばデジタルデータが蓄積されるわけである.国民総背番号制度(マイナンバー制度)が本格稼働すればデジタルデータの蓄積量はうなぎ登りに増加するはずである.

  一方,小さい方はナノやピコは見かけることがある.最近,注目を集めているナノマシン,特にナノチューブは薬物を細胞の目的の場所へ送り込むのに注目を集めている.それ以下は,原子,電子の世界であり,一般人には無縁である.以下のAIの回答を参考にしてほしい.

電子の大きさは? 

電子の半径は約2.8×10−15[m]と非常に小さく、原子の大きさは約1億分の1cm(0.1ナノメートル)です。少なくとも1億分の1cmのそのまた1億分の1より小さく構造は見えていません。

電子の質量は約9.1×10−28[g]で、原子核を構成する陽子や中性子は電子の質量の約1840倍の質量をもっています。

電子は、原子核の大きさの約1万倍10万倍も離れた距離を回っています。原子核の大きさを1円玉に例えると、 電子は、 東京ドームほどの大きさの距離を回っていることになります。

(2024.2.10)

上付き文字が使えないので, 計算標準総合センターの表を画像化して利用しました.