古い送受話器

断捨離の過程で超古い送受話器を発見した.義理の兄が電電公社に勤めている頃,不要になって廃棄処分になったといって持って来てくれたものである.私が鉱石ラジオや並三ラジオなどを組み立てていた頃の65年位前の話である.本体にが菱形の中にOKIの文字が確認できるので,沖電気製と思われる.

Googleの検索サイトで画像検索すると.軍用の電話機の中に,似たようなものが存在するが,同じものは見つからない.

送話器の内部は次図左側である.右下の同心円状に多数の穴が明いている素子が,炭素の粒子を詰めたものである.音圧によって炭素粒子が圧縮されて接触抵抗が変わり電流値が変化することを利用して,音声を電流の強弱に変換させる装置である.裏側には「粒」と印字されている.カーボンマイクロフォンと呼ばれている.

次図は受話器の素子である.永久磁石にコイル(左上)が巻かれていて,電流の強弱にともなう磁力変化で振動板(左下)を振動させるという仕組みである.

送受話器が一対になっているので,間に電池を入れれば通話できるはずである.今の電話機も,素子は代わっているが原理は一緒である.電圧の高い電気器具が使用できない地下工事現場や化学工場などでは現在も使用されているとのことである.