Chemtool
Ubuntu分子構造描画ツール
UbuntuにChemtoolという分子構造描画ツールがある.定番のChemDrawに慣れた者には,ちょっととっつきにくい.単結合を自由な距離,角度で自由な方向へ次々に伸ばしていく方式ではない.
マニュアルの説明
結合は 4 つの異なる角度設定 (30 度間隔の六角形,72 度間隔の 2 つの五角形 (異なる方向),および 45 度の八角形) で描画できる.これらのモードのすべてで中間角度も同様に可能である.この場合はマーカー ポイントを無視する.
簡単な分子を1個描いてみればすぐに習得できるので.以下,実例で説明したい.
シクロヘキサノールを描く例
Toolの中のTempletesを開くと次図のような化合物一覧が表示される.その中からシクロヘキサンを選択する.
2段目のメニューの左端の6角形が初期設定されている.これを使って結合を伸ばしていく.水酸基を付けたい炭素原子をクリックすると,時計の文字盤みたいな点群が表れる.水酸基を置きたい方向に沿った点を選択すると結合が描かれる.6角形では,30. 60. 90. 120度の点群が選択可能.
水酸基の付け方
三段目のtextの欄にOHを記入し,メチル基をクリックする.MeがOHに変化する.
保存
目的に応じた保存や書き出しができる.
反応図を保存 (Save) するときは,拡張子として .cht を付ける.
Export
Avogadro等と連携したいときは.単分子をmolファイルとしてexportする.
3次元構造を含む反応式の描画例(Diels-Alder反応)
生成物の立体構造は右図の通りであるが,二次元による表示はこの程度は可能.
Endo付加体の構造(MOPAC)
Oxepineをmolファイルで保存し,Avogadroに読み込みMMで構造最適化した構造.
Ubuntu上で使用できる分子構造描画ソフトの中ではもっとも安定しているようである.