2016年以降使用してきたMac mini(2012)のサポートが切れ、OSのアップグレードを始めとしてアプリケーション類も更新できなくなった。Linuxを導入するなど苦し紛れの対策を練ってきたが、パソコン版LINEのアップデートができなくなり、さらにはパソコン起動時に、「パソコンからGoogleドライブのファイルを閲覧するためにはOSを最新にせよ」と促すメッセージが出るようになった。
これまで愛用してきたMac miniに換わるマシンを検討していたら、シリコンCPU搭載のマシン(M1 Mac mini 2020)を譲り受けることが出来たのでデータの引っ越しを行なった。
以下は移行手順の備忘録である。
Mac mini (Late 2012)
2.5GHzデュアルコアIntel Core i5, SSD 500GBに換装済, 16GB RAM, OS 10.15.7 Catalina
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Mac mini (2020)
9コアApple M1チップ3.2 GHz, SSD 256 GB, 16GB RAM, OS 15.4 Sequoia
2つのThunderbolt / USB 4ポートで以下に対応:
DisplayPort
Thunderbolt 3(最大40Gb/s)
USB 4(最大40Gb/s)
USB 3.1 Gen 2(最大10Gb/s)
アダプタ(別売り)を使用したThunderbolt 2、HDMI、DVI、VGAに対応
USB-Aポート(最大5Gb/s)x 2
引っ越しは移行アシスタントを利用せず、外付けSSDを介してマニュアルで実行した。
Mac mini 2012 側で行なった準備
1)以下のフォルダをバックアップ用外付けSSD(960GB)にコピー
アプリケーション
ダウンロード
書類
デスクトップ
ピクチャ、ムービー、ミュージック
2)メールボックスを書き出す。
アカウントの数だけmboxとして保存
3)ブラウザ(Chrome)のブックマークを書き出す。
Chromeの機能を利用
ブックマークマネージャーを利用してエクスポート(︙で表示)
Mac mini 2020側で行なった処理
1)Wi Fi パスワード設定のみ
2)ソフトウェア 外付けSSDにコピーしたアプリフォルダから必要なアプリを
新Mac miniのアプリケーションフォルダにコピー
ワープロ、表計算ソフト等はApple Storeからダウンロード
LINEについてはスマホと連携してインストール
Google Chromeはストアからインストール
3)メールアカウントを設定後、ファイルのメニューから「メールボックスを読み込む」を実行
4)ブラウザ
「︙」の「ブックマークとリスト」から「ブックマークと設定をインポート」
5)特に必要なファイルだけを外付けSSDからコピー
そのまま利用可能な周辺装置
Wi Fi JCOM
ディスプレイ BenQ2420HD
キーボード Mac キーボード
マウス Logicool M185 ワイヤレス
USB Hub 最高5 Gb/秒 Elecife USB 3.0 7ポート ACアダプタ付 電源付き
外付けSSD KIOXIA SATA 読み込み:555MB/s、書き込み:540MB/s
USBカメラ ELECOM UCAM-DLK130T、カメラはPhoto Boothで確認
マイク ELECOM UCAM-DLK130Tで確認
Intel用アプリはRosettaモードで実行可能
Intelプロセッサ向けに開発されたアプリケーションをAppleシリコン(M1やM2チップなど)を搭載したMacで動作させるため。Rosetta 2 というソフトウェアが使用されている。Rosettaは、アプリケーションの命令をリアルタイムで変換するため、ネイティブアプリに比べて処理速度が遅くなる場合があると言われている。特に。。CPU負荷の高い処理を行うアプリケーションや、複雑なグラフィック処理を行うゲームなどでは、その影響が顕著になるらしいが、通常のアプリでは遅くなったという実感はない。
Read Write速度比較
内臓SSDの速度
以下の通り一目瞭然である。READで約6倍、WRITEで約6倍の速度上昇が認められた。
2020 Mac mini シリコンM1
2012 Mac mini インテル Core i5
M1 Mac miniの外付けSSD (960GB) , C-C接続
速度は以下に示す通り。A-C接続の場合、若干速度が低下する。
SSD、ケース、ケーヴブルの種類によって、転送速度は微妙に変化する。
960GB SSD USB-C-C接続 ORICO透明ケース 新ケーブル 20250412
本体A-SSD_C接続
PC USB(A type)--HUB(A type)--ACケーブル--ケース(C type)
M1 Mac miniの外付けSSD (120GB) , C-C接続
速度は以下に示す通り。
240GB SSD USB-C-C接続 GGPケース 20250412
CPUの特徴
M1のチップは小さな一枚のシリコンに、CPU(中央処理装置)、GPU(グラフィック処理装置)、およびRAM(メモリ)を一つにまとめることにより、データのやり取りが速くなり、パソコンの動作がスムーズになっている。 さらに、電力の消費も少なくなった。
Appleデバイスとの連携重視
いろいろな場面でiPad, iPhone等との連携が図られている。2段階認証の際に、Appleデバイスを指定するように促される場合があり、所有していないので一瞬戸惑ったが、電話番号による認証が別途用意されている。信頼できるデバイスが手元になくて確認コードを表示できない場合は、サインイン画面の「コードが届いていない場合」をタップして、信頼できる電話番号にコードを送信するオプションを選択できる。
使用感
Apple製PCのCPUがインテルからシリコンに移行してから5年が経過し、最新のCPUはM4に進化している。M4の時代に今さらM1と思ったがなんら問題なく快適に動いている。ちなみに、AppleによるとM4はM1比でCPUが最大50%、GPUが最大65%性能向上しているとアピールしている。これまで性能の低いマシンを使用していたため、高速に感じるのかもしれないが、マシンやアプリの起動、Time Machine のバックアップに要する時間が極めて短くなったのは明白である。
機種を選択するにあたり、経験上メモリー容量が16GBであることを優先的に考慮した。SSDに関しては最小の256GBにして処理済みのデータはなるべく外付けSSDに移すことによって整理整頓に心掛けるようにした。USB-Cの採用によって外付けSSDとの読み書き速度が向上したため、このような利用法が可能である。
Thunderbolt 3(最大40Gb/s)の利用については接続ケーブルの選定ミスで苦労した。AmazonベーシックのC-C接続では想定した結果が得られなかった。製品の説明では480Mbpsで情報転送が可能と書かれているが、実際は1/10程度であった。2.5インチSSDケース付属のケーブル(TypeC-TypeC)に替えると400Mbpsで転送できた。
USBがAタイプからCタイプに進化する最中、Aタイプの周辺機器を活かすため、Thunderbolt / USB 4ポートの一つはType-A -Type-C変換アダプタを用いてAタイプ周辺装置接続用に使用するつもりである。
追記 Bluetoothの問題点
M1 Mac miniの処理速度などに関しては不満はないが、Bluetoothのトラブルには閉口している。PCからAndroidスマホ、タブレットへのファイル送受信の安定性に一貫性がない。Mac mini 2012ではこのような不都合はない。ウエブ情報によるとApple silicon搭載PCの共通の傾向らしい。なお、Mac OS12以降は、Bluetoothファイル交換アプリ(「アプリケーション」フォルダ→「ユーティリティ」フォルダ)が準備されているので、アプリ利用に乗り換えた方がよいようだ。
追記 ドライバ問題
プリンタ、スキャナー問題
1998年に購入し使い続けてきたEPSON製プリンタPM-770Cのドライバーのサポートはかなり前に終了したが、GutenprintプロジェクトのGutenprint Utility for EPSON Inkjet Printersを利用してMacOS 10.15 "Catalina"まで使用できた。 しかし、アップルのCPU変更に伴い、同プロジェクトはmacOSのサポートを正式に廃止した。そのためキャノンのプリンタTS203を購入した。本体よりインク代の方が高い安物であるが、なんら問題はない。
スキャナー(CanoScan N1240U)に関しては、ドライバの提供はMac OS X 10.5までのため、Mac mini (2009)を使用せざるをえなかったが。外付け起動可能なUbuntu環境下のアプリが利用可能である。関連ブログ Macの外付けSSDからUbuntu起動
ICカードリーダライタ
SCR3310-NTTCom(NTTコミュニケーションズ社)はM1 Mac用ドライバが提供されないため使用不能。マイナポータルにアクセスするためにはインテルMac(macOS 10.15 Catalina)を使用して急場を凌いでいる。
追記(2025.8.10)
OprnOfficeはクラッシュする。LibreOfficeに変更する必要だある。
(2025.6.20)