Avogadro2から計算投入
MoleQueue連携
MoleQueue連携
2010年頃に使用していたAvogadroは、mopac計算を実行するための機能を備えていた。ところが、最近のAvogadroは各種分子計算のinputデータを作成するためのアプリと位置づけられていると言っても過言ではない。ところが次図に示すように、「インプットを保存」の左側に「計算を投入」という項目が存在する。
Avogadroで分子構造作成 → INPUT → 設定 → 計算投入 → プログラム選択 → 実行 → 結果
おそらく何らかのアプリと連携してジョブを実行するための布石だろうと思い、ネット検索すると以下の情報が得られた。
Avogadroを使ってみよう - PC CHEM BASICS.COMに以下の記載(追記)があるのみで、詳細は記載されていない。
前略 Avogadro2という後継ソフトもあります。同サイトにあるソフトMoleQueueと連携することでGAMESSなどにJobを投げることができます。後略
Avogadro2のダウンロードページに並んで掲載されているMoleQueueをインストールした後、起動してみたが、推測絡みの操作では動かすことはできなかった。
いろいろ試行錯誤の末、以下のサイトにヒントがあった。
High-Performance Computing Made Easy with MoleQueue(英語版)
以下は設定、操作法(MOPACジョブ)の備忘録である。
MoleQueueのメニューからManagerを選択
ローカルPCとリモートサーバーを区別するために下図のように設定した。
OKを押すと表示される設定画面では、コア数は取り敢えず4に設定した。MOPACの場合、並列計算は入力データのthreadsで指定できるが、100原子に満たない分子ではほとんど効果が認められない。
Programsをクリックすると、細かい設定が求められる。MOPACに関しては以下のように設定した。プログラムのpathはインストール状況に合わせる必要がある。ExcutableのBrowseが効かないので、手動入力した。右側の実行命令はデフォルトでは動かないので、カスタムにしてmopacのマニュアルに沿って以下のように記載した。赤字は実行形式プログラム(絶対パス)、青字は入力ファイル名である。計算結果は入力ファイルの置かれているフォルダに出力される。
/opt/mopac/MOPAC2016.exe. $$inputFileBaseName$$
Avogadro2でinputデータを作り、計算投入の準備をする。
計算投入を押し、MIOAC2016を選択してOKを押すと計算が開始される。MOPACを登録後に新たに登録したNWChem, CAMESSも表示されている。
下図はethaneを計算した際のLogの詳細である。ファイル名はタイトルではなく、Filename Baseである。
出力先は.molequeue(隠しフォルダ)であるが、MoleQueue起動時に表示されるジョブ一覧を利用して閲覧することができる。以下のようにジョブ番号を右クリックして開くメニューから”Open ジョブネーム in the browser” を選択すると出力ファイル群が表示される。ここではJob Tltle名が表示されている。
カラム表示させたbrowserの右側部分を以下に示した。
MOPACのキーワードにpdboutを入れておくと、計算終了時にoutファイルのほかにpdbファイルが出力される。pdbファイルはAvogadro2を起動するように紐付けされているので、クリックするだけで最適化構造が表示される。
下図はCumeneの計算構造である。
設定手順
1. 「Local」キューの作成
MoleQueueでは、まず「どこで実行するか(Queue)」を決めてから「ソフト(Program)」を登録する。
MoleQueueを起動し、[Queue Manager] ウィンドウを開く。
左下の [Add] ボタンを押し、Queue Type で 「Local」 を選択して、名前(例:LocalPC)を付けて作成する。
作成したキューがリストに表示され、チェックボックスがオン(有効)になっているか確認する。
2. プログラムパスの設定手順
キューが作成できたら、その中にプログラムを紐付けする。
作成した「Local」キューを選択した状態で、[Programs] タブ(またはセクション)に移動する。
[Add] をクリックし、使用したい計算ソフト名(例:GAMESS, NWChem)を入力する。
Executable Path の欄の横にある参照ボタンを押し、実行ファイル(.exe など)を直接選択する。ブラウスできない場合は手動で入力する。
注意: フォルダではなく、実行ファイル本体を指定する必要がある。
今回は、M1 Macに於いてMOPACジョブをGUI環境で計算できることを紹介した。NWChemでも同様の設定で連携することができた。GAMESSに関しては、未完成である。GAMESS-USはMolbyでGUI処理できるので、Molbyで指定したpathを使用したが作動しない。
参考資料
MoleQueue
High-Performance Computing Made Easy with MoleQueue(英語版)
MolbyによるGAMESS実行(M1 MacでGUI処理可能)