熊本県内地震予想

近い将来再び大地震 その1

2019年10月14日の熊本日日新聞にショッキングな記事が掲載された.見出しは以下の通りである.

県内広範囲で再び大地震も 日奈久断層帯ひずみ蓄積 九州大など調査で判明

記事の内容

調査は文部科学省の委託で,清水教授がセンター長を務める九州大学地震火山観測研究センター(島原市)を中心に熊本地震後3年間実施され.今夏,政府の地震調査研究推進本部に報告書が提出された.

九州大などがまとめた活断層調査で,熊本地震の震源域とされる日奈久断層帯全体が連動した大地震が発生すると,熊本から八代にかけた平野部のほぼ全域で震度6弱以上の大きな揺れに見舞われることが分かった.

日奈久断層帯は,3年半前の熊本地震以降もひずみが蓄積していて,代表研究者の清水洋教授は「熊本地震のような震度7クラスの地震は確実にまた起きる.警戒を続けてほしい」と呼び掛けている.

清水教授によると,これまでの調査から,2016年4月の熊本地震では布田川断層帯の布田川区間はひずみが完全に解消した,一方,日奈久断層帯は限られた断層崩壊にとどまり,周期的な大地震を引き起こすひずみが依然として残っている.

地層を確認するトレンチ(溝)調査やボーリング調査などの結果,日奈久断層帯で大地震がある間隔を推定した結果,「日奈久断層帯は近い将来もう一度大地震を起こす」(清水教授)と考えられる.マグニチュード(M)は最大規模8・1で,熊本地震のM6・5とM7・3を上回ると予想される.

大地震が発生した際の各地の震度を地盤の強度から試算した結果,熊本から八代にかけた平野部のほぼ全域に加え,宇土半島と天草下島の一部で震度6弱~震度7の激しい揺れが予想される.阿蘇の火砕流が厚く堆積しているために地盤が弱く,地震による揺れが増幅するためだと考察している.

詳細は熊本日日新聞のウエブ版あるいはYahooのニュースを見てほしい.

日奈久断層帯の全区間が崩壊した時に予想される県内各地の震度(熊本日日新聞のWeb画像を利用しました)

最近,県内で起こる地震の震源地が宇城,宇土,八代,天草等の地域が多い.資料の「熊本県熊本地方を震源とする地震情報 (日付の新しい順) 」を見てほしい.

追記

11月15日 NHK熊本のローカル番組(くまもとの風)でも,九州大学地震火山観測研究センター長の清水教授が生出演して放送された.調査の結果から,地震が明日起こってもおかしくない状態であり,海岸近くで起これば前回と異なり津波の可能性もあるとのことであった.

(2019.11.8)