本震から5ヶ月が過ぎた.
余震は低下傾向にある.その間の地震回数の推移は下図の通りである.熊本地震として帰属される回数は2097回に達した.
前震後5ヶ月を過ぎた9月15日時点から遡って,3ヶ月間の余震回数は次図の通りである.
本震後100日を過ぎた7月26日は,待ちに待った余震ゼロがあり,その後3回ゼロ日があった.
ところが,8月31日には突然震度5弱の地震が起るなど収束には程遠い感が強い状況が続いている.
前に,熊本地震被災地のストリートビュー画像公開を紹介した際,具体的な例として益城町役場周辺のストリートビューを示した.5ヶ月が経ち,復興のための車両の混雑も落ち着いてきたので,益城の幹線道路(県道28号線,熊本ー高森)を経由して空港方面へ初めて行ってみたが,ストリートビューで見るのとは全く異なるその凄さとスケールに驚愕した.
次図は寺迫交差点手前の高架橋上から撮影されたストリートビューである(交差点に向かって左側).右側の奥には益城文化会館がある.ストリートビューは5月のものであるが,5ヶ月経ってもほとんど変化はない.道路には「段差あり」の注意を喚起する看板があちこちに設置されていて,通常走行でも振動が激しい上に,傾斜した建物が道側にせり出した個所がいくつも残されていた.おそらく公費による撤去の順番を待っているのであろう.
この地点の最新画像は高架橋からの撮影のみである.左右の道に下りた画像は被災前のものである.
知人に益城文化会館の入口前にある寿司店の被災状況の確認を頼まれていたが,ニ階に宴会場を有する寿司店は入口を残し崩壊していた.この地点より200メートル手前(熊本側)の木山交差点周辺の被害も物凄く,表現の仕様がない.信号の先,右手に在った商店群が消えてなくなっていた.信号周辺で見かけ上正常に見えるのは銀行と最近開業したクリニックと調剤薬局程度である.
注)ストリートビューの撮影日時を切り替えると,2011年12月と2013年11月のストリートビューを見ることができる.
NHKのローカルニュース(9月16日)によると,文化庁の一次調査で県内の歴史的建造物の30%が部分破壊以上と判定されたとのことである.9月16日現在,台風16号の九州上陸が予想されているが,地震で被災した建物の更なる損傷が心配である.