U市畑 進:日本の電子立国の夢消える 2019.9.23

添付の記事、ファーウエイ新スマホ発表という記事、9/20、9/21二日に亘って掲載した。それで、スマホの世界を少し調べてみた。

以下のごとく日本の電子立国の夢はこの11年間で全く消えていた。

『革新を阻む日本型ビジネスモデル、典型的なのが携帯電話の例だ。デジタル携帯電話を細かく進歩させてインター・ネットまで使えるようにした日本の「ケータイ-フィーチャーフォンは一時世界の最先端だった。スマートフォンが出た頃、ブラウザ機能もメールも電子地図も全部日本のケータイでできるというような声を通信業者からキャリアからも端末メーカーからもよく聞いた。実際日本で技術的にスマートフォンがつくれなかったわけではなない。』(実際、僕の使うアクオスでは、ラインまでできる)

日本の携帯電話のビジネスモデルは世界的には特殊で、キャリアがメーカーに開発援助する代わりに端末仕様を決めるという、キャリアが徹底支配するガバナンスだった。そのためにSIMロックか出てきたぐらいだ。

(今、総務省が廃止を要求している、世界ではSIMロックフリーのスマホが売り出されているというのに。)

せっかく開発援助した端末を別のキャリアのために使われてはたまらないから、SIMロックして別のキャリアに移ったときにはその端末を使えなくする必要があった。

そういうガバナンスがNTTトコモのI-modeのような成功を生んだ。

(なお、NTTドコモは、通信サービス「I-mode」の新規受付を2019年9月30日で終了する。)

(2008年7月11日)、そこに、まったくケータイと関係ない海外のメーカーApple社からスマートフォンが出てきた。当初よりインター・ネット利用が大前提で、パーソナルコンピューターの文化から進化したコンセプトの製品だった。

今までずっと(囲い込みの)クローズモデルでうまくやってきたのが、いきなりオープンだと云われては日本のモデルが破綻してしまう。まさに黒船である。キャリアはスマートフォンに手の平を返した。それだけならまだしも、スマートフォンで従来のキャリアの囲い込みサービスが続けられるように、Appleよりはまだ手の出しようがあるAndroidで急遽キャリアサービス向けアプリを作るという作戦に出た。

仕様を自分で考えず、開発補助金のおかげで革新の必要もなく安泰としていた日本の端末メーカーか、無理して作ったアプリの質はとても褒められたものではなかった。

日本製端末の評判を地に落とし、日本の端末メーカーの凋落の出発点となっていった。

今や決着がついてしまったが、振り返ってみれば、このときか従来の「クローズ型ガバナンス」とスマートフォンが持ち込んだ新しい「オープン型ガバナンス」との戦いの始まりだったことかわかる。

日本の電子立国の夢は終わった。(以上は「IoTとは何か」坂村健2016、角川新書による)

今、世界のスマホメーカーはサムソン、ファーウエイ、アップル、オッポ(中国)、シャオミン(中国)が挙げられるが日本のシャープなどの端末メーカーは統計外だ。終わり。