釣りえさ屋の看板「しびれる味」から始まる言葉の探求。植木等「シビレ節」が変えた日本語の意味とは?糖質制限レストランOstinatoが提案する「こだわらない」のに心を奪う料理哲学まで、味覚と言葉の不思議な関係を綴ります。
Byartfarmer2025年4月23日
ずっと気になっていた、あの看板。
何年も前から通るたびに目に留まってしまうんです。
近所の釣りえさ屋さんの看板。
そこには、こう書かれていました。
「しびれる味」
そして、笑顔のヒラメのイラスト。
…ヒラメ、そんなに喜んじゃってるんだ(笑)
釣りえさ屋さんの名前は、「釣りえさやマリン」。
「しびれる」といえば、もともとは体の感覚が麻痺したようになることを意味しますよね。
正座した後の足、電気が走ったようなあの感覚…。
でも、“しびれる” って、それだけじゃないんです。
1966年(昭和41年)に発表された、植木等「シビレ節」。
作詞は青島幸男、作曲は宮川泰。
この曲以降、「しびれる」は単なる身体の感覚ではなく、心を奪われるような魅力的なものとしても使われるようになりました。
「うわ、しびれるー!」
「あのセリフ、しびれたねぇ」
今では、感動や興奮の表現として、すっかり定着しています。
…が、それでも「しびれる味」って、ちょっと勇気がいります(笑)
たとえば、ふぐ中毒で「しびれる」と聞けば、ちょっとゾッとする話。
だから普通、レストランや飲食店では「しびれる味」なんてキャッチコピーは避けるものです。
でも、世の中にはこだわりの飲食店が星の数ほどありますよね。
Restaurant Ostinato(オスティナート)
私が運営していた糖質制限レストランです。
コンセプトは、「こだわらない」糖質制限レストラン。
素材や調理法に必要以上に縛られず、でも健康に、美味しく、楽しく。
それがOstinatoのスタイルでした。
そして、ここにも…
「しびれる味」
こだわらないのに、心を奪う味。
身体に優しくて、心が震える。
そんな料理を目指していました。
自己責任でお願いします。
味覚も価値観も人それぞれ。
でも、「しびれる」ような体験を、どこかで感じていただけたなら、それこそが本望です。