生化学・栄養学の最新研究を深く探究するブログ。イヌリンの「天然のインスリン」説の検証、キクイモの健康効果、腸内細菌叢と短鎖脂肪酸の関係、キサンタンガムの代謝メカニズムなど、科学的根拠に基づいた詳細な解析を提供。健康食品や機能性成分に関心のある方必見の専門情報サイトです。
2015年の食品成分表改訂から10年。「利用可能炭水化物」という科学的概念が導入されましたが、医療現場ではどれほど理解されているのでしょうか。糖尿病患者として13年間、7人の医師と接した経験から、深刻な問題が見えてきました。
スーパーやコンビニで食品を手にした時、栄養成分表示の「炭水化物」という項目だけが書かれていたら、その数字の内訳には、あなたの健康にとって非常に重要な情報が隠されているかもしれないと想像し、この問題への関心を持つきっかけにしていただければ幸いです。
続きを読む
「糖質」という用語は、日本の成分表作成初期に計算上の便宜として採用された**「ガラパゴス的な測定単位」の側面を持つ一方、臨床現場では「利用可能炭水化物」**という厳密な機能的定義に基づき、患者の生命に関わる最も重要な数値として扱われています。私たちはこの多層的な定義を理解し、そのギャップを認識した上で、より正確で安全な栄養管理が実現するよう、制度改正への働きかけを続けていく必要があります。
続きを読む
ソマトスタチンの役割を理解するには、その作用の場である膵ランゲルハンス島を理解することが不可欠です 。ランゲルハンス島は、インスリンを出すβ細胞、グルカゴンを出すα細胞、そしてソマトスタチンを出すδ細胞から構成される微小器官です 。
ソマトスタチンの真の機能は、広範な抑制作用を通じて安定性を確保することにあり、血糖値の変動はその二次的な結果に過ぎない。
アクセルだけでは暴走する、ブレーキが真の制御(ダンパー的役割)を可能にする。
続きを読む
絶食や厳しい糖質制限を行うと、体は脂肪を分解して大量のアセチルCoAを作り出します。しかし、TCA回路を回すために必要なオキサロ酢酸は糖質から作られるうえ、血糖維持のための糖新生にも優先的に使われるため、供給が追いつきません。その結果、行き場を失ったアセチルCoAが肝臓でケトン体に変換されるのです。
続きを読む
現代社会における慢性疾患の蔓延について、近年注目を集めている仮説の一つが「植物油仮説」である。この仮説は、工業的に生産された植物油、特にオメガ6リノール酸を豊富に含むシードオイルが、心疾患、糖尿病、がん、さらには加齢黄斑変性まで、ほぼすべての現代病の主要な原因であるという大胆な主張を展開している。
続きを読む
長年にわたり、腸内細菌叢、特に大腸に生息する微生物群集は、宿主が消化できない炭水化物、主に食物繊維や難消化性デンプンを分解・発酵させることで、短鎖脂肪酸(SCFAs)を生成する主要な供給源であると考えられてきました。