医療専門家は「糖質制限の効果」を語ります。
しかし、「どう続けるか」については、患者自身が手探りで見つけるしかないのが現状です。
13年間糖質制限を継続してきた一人の実践者として、私の「継続のシステム」を共有したいと思います。これは「私のやり方が正解」という話ではなく、一つの参考例として、糖質制限を続けようとしている方々のヒントになればという思いで書きました。
糖質制限食は、2型糖尿病の血糖管理において科学的に実証された強力な介入手段です。しかし、その効果の高さとは裏腹に、長期継続率の低さが大きな課題となっています。
多くの人が「自分の意志が弱いから続かない」と自分を責めますが、これは本質的な問題ではありません。糖質制限が続かない理由は、**「システムの欠落」**にあります。
日常のあらゆる食事場面で「これは食べていいか?」「糖質はどれくらいか?」を判断し続けることは、想像以上の精神的疲労を蓄積させます。
外食時のメニュー選択
コンビニでの商品選び
社会的行事(冠婚葬祭、飲み会など)での対応
家族の食事と自分の食事の使い分け
特に外食や社会的行事においては、選択肢が極端に制限されるため、孤立感やストレスの原因となります。研究によれば、「外食が多いこと」はアドヒアランス低下の最大の予測因子の一つです。
脂肪とタンパク質による満腹感は得られても、炭水化物特有の報酬系への刺激(Comfort foodとしての役割)が絶たれることで、多くの人は常に**「何かを我慢している」という剥奪感**を感じ続けます。
この剥奪感が蓄積すると、ある時点で爆発的な過食(リバウンド)を引き起こし、そのままドロップアウトにつながるケースが散見されます。
精製炭水化物(パン、麺、米、加工食品)は、カロリー当たりの単価が最も安い食品群です。一方で、糖質制限に必要な食材は相対的に高価です:
新鮮な野菜
良質なタンパク質(肉、魚)
ナッツ類
良質な油脂
経済的な制約がある人にとって、糖質制限の維持は家計への直接的な打撃となり、継続を断念せざるを得ない主要な理由となります。
「正しい食事療法についての情報不足」「指示が理解できなかった」というバリアも報告されています。
医療システムの構造的問題: 従来の医療モデル(数ヶ月に一度の短時間の診察)では、患者の日常的な食事選択をサポートするには不十分です。管理栄養士による継続的な教育を受けている患者はわずか数パーセントに過ぎないというデータもあります。
重要な視点: これらの問題は、患者個人の努力だけでは解決できません。糖質制限は強力な介入であるが、それを維持するためのシステムが欠落しています。患者個人の努力に頼るのではなく、システムとしてのアプローチが不可欠です。
コストを下げる食材選び
タンパク質源:
鶏むね肉: 最もコスパが良い。調理法次第で柔らかく美味しくなる
豚こま肉: 小間切れでも炒め物や煮物に使いやすい
卵: 完全栄養食品で安価
納豆: 植物性タンパク質、発酵食品として優秀
サバ缶、ツナ缶: 保存が効き、タンパク質とオメガ3が豊富
野菜:
旬の野菜: 安く、栄養価が高い
もやし: 安価で栄養価も意外と高い
キャベツ: 一玉買えば様々な料理に使える
冷凍野菜: ブロッコリー、ほうれん草など、便利で栄養価も保たれている
まとめ買いと保存
肉の冷凍保存: 安い時にまとめ買いし、1食分ずつラップで包んで冷凍
野菜の冷凍保存: きのこ類、ネギなど、カットして冷凍しておく
作り置き: 週末に数日分のおかずを作っておく
調味料の工夫: 基本の調味料(塩、醤油、味噌、酢、油)で十分
農家だからこそできること/できないこと
農家の利点:
野菜は自給自足
ハーブ類も自家栽培
土地があるので保存スペースも十分
農家でなくてもできること:
ベランダでのハーブ栽培
スプラウト栽培(室内で可能)
近所の農家から直接購入(直売所、道の駅)
コミュニティガーデンの利用
一般の方への提案
優先順位をつける: 高い食材は必要最小限に、メインは安価な食材で
調理技術を磨く: 安い食材でも美味しく料理できる技術が最大の節約
外食を減らす: 週に1回外食を減らすだけで、月に数千円の節約
仲間と共同購入: まとめ買いでコストダウン
私は13年間、糖質制限を継続してきました。振り返ってみると、私のライフスタイルそのものが「継続のシステム」として機能していることに気づきました。
以下の4つの要素が、相互に支え合いながら、糖質制限の継続を可能にしています。
「食べられないもの」から「作れるもの」への視点転換
糖質制限を始めた当初、多くの人が「食べられないものリスト」に圧倒されます。パン、ご飯、麺類、お菓子...。しかし、私は料理経験があったため、すぐに視点を転換できました。
**「何が作れるか?」**という創造的な問いに変える
制約は創造性を刺激する
新しいレシピの開発は、料理の楽しみを深める
調理は制約ではなく、創造的な遊び
例えば、菊芋を使った料理の開発:
菊芋のポタージュ(玉ねぎと菊芋だけ、シンプルだが奥深い)
菊芋チップス(薄切りにしてオリーブオイルで焼く)
菊芋のきんぴら(食物繊維とイヌリンの宝庫)
菊芋のピクルス(発酵食品としても優秀)
コストコントロールの実際
自分で調理することで、外食や加工食品に頼るよりも大幅にコストを削減できます:
まとめ買い: 肉や魚を安い時にまとめ買いし、小分けして冷凍
旬の食材: 旬の野菜は安く、栄養価も高い
部位の使い分け: 鶏むね肉、豚こま肉など、安価な部位でも調理法次第で美味しい
自家栽培: ハーブや一部の野菜は自分で育てることでコスト削減
レストランオーナー時代の経験が活きる: 食材の目利き、調理技術、コスト管理。これらは継続のための大きな武器になりました。
炭水化物の快楽に代わる「育てる喜び」
糖質制限で失われる「炭水化物の快楽」を、別の報酬系で補うことができます。私の場合、それが農業でした。
種を蒔き、芽が出る瞬間の喜び
日々成長していく植物を見る楽しみ
収穫の達成感
自分で育てた食材を食べる満足感
季節のサイクルが生む食事の変化
農業には「旬」があります。この自然なサイクルが、糖質制限食に変化をもたらします:
春: 新芽、山菜(独活、タラの芽など)
夏: トマト、ナス、ピーマン、ハーブ類
秋: きのこ類、根菜類
冬: 葉物野菜、菊芋の収穫最盛期
季節ごとに食材が変わることで、「毎日同じものを食べている」という単調さから解放されます。
自分で育てた食材への愛着
自分で育てた菊芋は、スーパーで買う野菜とは全く違う価値を持ちます。それは単なる「糖質制限食材」ではなく、「自分が時間と労力をかけて育てた作品」です。
菊芋栽培の実際
菊芋の特徴:
イヌリン(水溶性食物繊維)を豊富に含む
低GI食品として糖質制限に最適
栽培が容易で、ほとんど手間がかからない
11月〜12月が収穫時期
栽培の喜び:
春に植えれば、秋には必ず収穫できる
「努力が報われる」という確実性
収穫作業自体が、適度な運動になる
訪問者に収穫体験を提供する喜び
「なぜこれをしているか」の納得感
糖質制限を「ただの我慢」ではなく、「科学的根拠に基づいた選択」として理解することは、継続の大きな力になります。
江部先生のブログから学んだこと
私は江部康二先生のブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」を13年間にわたって読み続けてきました。そこから学んだことは数え切れません:
糖質制限の生化学的メカニズム
ケトン体の安全性と有効性
インスリンとGLP-1の役割
最新の研究動向(ADAガイドラインの変遷など)
様々な疑問への科学的回答
知識は「我慢のための理由」ではなく「選択の自由」を与える
生化学の知識があると、以下のような「柔軟な対応」が可能になります:
どの程度の糖質なら自分の身体に影響が少ないか理解できる
外食時に、メニューの中から最適な選択ができる
血糖値測定の結果を、自分で解釈し、行動に反映できる
新しい食材や料理法を試す際の判断基準が持てる
学ぶこと自体が、継続のモチベーション
私にとって、生化学・栄養学の学習は「義務」ではなく「知的好奇心」を満たす活動です。新しい論文を読み、理解が深まることそのものが喜びになっています。
江部先生のブログへの寄稿: 学んだことを整理し、他の人と共有することで、自分の理解もさらに深まります。「教えることは最高の学び」という言葉の通りです。
「完璧」ではなく「継続」
オスティナート(ostinato)とは、音楽用語で「執拗に繰り返される短いフレーズ」を意味します。私はこの言葉を、人生哲学として採用しています。
「実践が理論に優先する。行動が計画に優先する。完成が完璧に優先する。」
糖質制限においても、この哲学は重要です:
100点満点を目指さない: 80点で十分。完璧主義は継続の敵
毎日の小さな実践: 一日一日を大切に、でも一日の失敗で全てを諦めない
長期的な視点: 短期的な結果に一喜一憂しない
津波後の再建経験が教えてくれたこと
2011年3月11日、東日本大震災の津波で、私は家を失いました。この経験は、私の価値観を根本から変えました。
物質的なものへの執着の放棄: 本当に必要なものは少ない
今ここに集中すること: 過去を悔やまず、未来を心配しすぎず
失っても、また始められる: 完璧な状態を維持しようとしない
ミニマリズムの実践: シンプルな生活が、選択の疲労を減らす
農業的時間感覚:焦らず、でも手を止めず
農業には、都市生活とは異なる時間感覚があります:
季節のサイクル: 自然のリズムに従う
待つことの大切さ: 種を蒔いたら、収穫まで待つしかない
日々の小さな作業: 毎日少しずつ、コツコツと
結果は後からついてくる: すぐに成果を求めない
この時間感覚は、糖質制限の継続においても大きな助けになっています。
孤独ではなく、内省的な豊かさ
糖質制限を続けていると、時に「孤立感」を感じることがあります。周囲が普通に炭水化物を食べている中で、自分だけが違う選択をしている...。
しかし、これを「孤独」ではなく「内省的な時間」として捉え直すことができます。
自分の身体と向き合う時間
自分の価値観を確認する機会
他者の評価ではなく、自分の判断を信じる練習
農業という仕事の特性: 一人で黙々と作業する時間が多い農業は、内省に最適な環境です。この静かな時間が、精神的な安定をもたらし、糖質制限継続の土台になっています。
4つの柱に支えられながら、日常生活では様々な具体的な工夫を積み重ねています。ここでは、誰にでも応用可能な実践的なヒントをご紹介します。
1. 完璧主義を捨てる:80%で十分
外食や社交の場で、100%の糖質制限を守ろうとすると、精神的に追い詰められます。
たまには少量の糖質が入っても大丈夫
「この一食で全てが台無しになる」わけではない
翌日からまた通常の食事に戻せばいい
注意: これは「糖質を自由に食べていい」という意味ではありません。基本は守りつつ、時々の「柔軟性」を許すということです。
2. 事前の準備
外出時には、以下のものを常に携帯しています:
ナッツ類: アーモンド、くるみ(小袋に入れて)
チーズ: 個包装のプロセスチーズ
プロテインバー: 低糖質タイプ
水: 水分補給は重要
これらがあれば、「食べるものがない」という不安から解放されます。
3. 店選びのコツ
外食時の店選びの基準:
焼肉店、しゃぶしゃぶ: 肉と野菜が中心で理想的
居酒屋: 刺身、焼き魚、枝豆、豆腐料理など選択肢が多い
洋食レストラン: ステーキ、グリル料理を選び、ライスを断る
避けるべき店: ラーメン店、パスタ専門店、丼もの専門店
4. 「説明の技術」:周囲にどう伝えるか
糖質制限をしていることを、どう周囲に伝えるかは悩みの種です。私の経験では:
シンプルに: 「健康のために炭水化物を控えている」で十分
詳しく聞かれたら: 「医師の指導のもとで」と伝える(実際そうなので)
議論しない: 相手の食事を否定しない、自分の選択を押し付けない
感謝を忘れない: 「気を遣わせてすみません」「ありがとうございます」
コストを下げる食材選び
タンパク質源:
鶏むね肉: 最もコスパが良い。調理法次第で柔らかく美味しくなる
豚こま肉: 小間切れでも炒め物や煮物に使いやすい
卵: 完全栄養食品で安価
納豆: 植物性タンパク質、発酵食品として優秀
サバ缶、ツナ缶: 保存が効き、タンパク質とオメガ3が豊富
野菜:
旬の野菜: 安く、栄養価が高い
もやし: 安価で栄養価も意外と高い
キャベツ: 一玉買えば様々な料理に使える
冷凍野菜: ブロッコリー、ほうれん草など、便利で栄養価も保たれている
まとめ買いと保存
肉の冷凍保存: 安い時にまとめ買いし、1食分ずつラップで包んで冷凍
野菜の冷凍保存: きのこ類、ネギなど、カットして冷凍しておく
作り置き: 週末に数日分のおかずを作っておく
調味料の工夫: 基本の調味料(塩、醤油、味噌、酢、油)で十分
農家だからこそできること/できないこと
農家の利点:
野菜は自給自足
ハーブ類も自家栽培
土地があるので保存スペースも十分
農家でなくてもできること:
ベランダでのハーブ栽培
スプラウト栽培(室内で可能)
近所の農家から直接購入(直売所、道の駅)
コミュニティガーデンの利用
一般の方への提案
優先順位をつける: 高い食材は必要最小限に、メインは安価な食材で
調理技術を磨く: 安い食材でも美味しく料理できる技術が最大の節約
外食を減らす: 週に1回外食を減らすだけで、月に数千円の節約
仲間と共同購入: まとめ買いでコストダウン
「我慢している」から「選んでいる」への認知転換
言葉の力は大きいです。同じ行動でも、捉え方次第で感じ方が変わります。
小さな成功体験の積み重ね
継続のモチベーションは、小さな成功体験から生まれます:
血糖値の改善: HbA1cの数値が下がる
体重の減少: 少しずつでも確実に
体調の変化: 疲れにくくなった、目覚めが良くなったなど
新しいレシピの成功: 美味しい糖質制限料理ができた
継続日数: 「今日で100日目」「1年達成」など節目を祝う
コミュニティの重要性
一人で続けるのは辛いです。仲間がいると、継続は格段に楽になります:
江部先生のブログコメント欄: 同じ志を持つ仲間がいる
SNSのグループ: Facebookやその他のプラットフォーム
地域のコミュニティ: 糖尿病患者会など
家族の理解: 家族の協力は何よりも大きい
私の経験: 江部先生のブログに出会ったことが、私の糖質制限継続の大きな転機でした。科学的な情報だけでなく、コメント欄での他の実践者との交流が、孤独感を和らげ、モチベーションを維持する助けになりました。
「完璧じゃない日」があってもいい
13年間、一度も糖質を取らなかったわけではありません。たまには「外れる日」もありました。
冠婚葬祭での食事
旅行先での特別な料理
どうしても食べたくなった時(年に数回)
大切なのは、「一度外れたからもう終わり」と諦めないこと。翌日からまた通常の食事に戻せばいいのです。
「100日のうち95日守れれば十分」という考え方 完璧を目指すと、一度の失敗で全てが崩壊します。でも、「ほとんどの日は守れている」という基準なら、継続可能です。
ここまで私の経験を詳しく書いてきましたが、正直に言えば、私の環境は特殊です。誰もが同じ条件を整えられるわけではありません。
71歳、自営業、時間の自由: 勤め人のような時間的制約が少ない
農業という特殊な職業: 食材を自給できる環境
料理と生化学への知的関心: もともと興味があった分野
レストラン経営の経験: 料理技術とコスト管理のスキル
津波という人生の転換点: 価値観を根本から見直す機会があった
一人暮らし: 家族の食事との調整が不要
重要な認識: これらの条件は、多くの人にとって再現不可能です。特に、働き盛りで家族がいる方、経済的に厳しい方、料理経験がない方にとっては、私のアプローチをそのまま真似することは難しいでしょう。
しかし、環境は違っても、以下の原則は誰にでも応用可能だと考えます:
1. 「意志の力」ではなく「環境設計」
継続できるかどうかは、「意志の強さ」ではなく、「環境をどう設計するか」にかかっています。
自宅に糖質の多い食品を置かない
仕事場の引き出しに低糖質のおやつを常備
よく行く店のメニューを事前にリサーチ
毎日の食事パターンをルーティン化
2. 複数の報酬系を持つこと
「炭水化物の快楽」を奪われた時、それに代わる何かが必要です。それは人によって違います:
趣味: ガーデニング、料理、読書、運動など
学習: 新しい知識を得る喜び
人間関係: コミュニティでのつながり
達成感: 血糖値改善、体重減少などの目標達成
3. 知識は力になる
専門家レベルの知識は不要ですが、基本的な理解は大きな助けになります:
なぜ糖質制限が血糖値を下げるのか
どの食品に糖質が多いのか
自分の身体の反応(血糖値測定など)
江部先生のブログや書籍は、この基礎知識を得るのに最適です。
4. 完璧主義の放棄
これは誰にでもできる、そして最も重要な原則です:
100%を目指さない
失敗しても自分を責めない
長期的な視点を持つ
「続けること」自体を目標にする
5. コミュニティの活用
一人で抱え込まない。同じ目標を持つ仲間と繋がること:
オンラインコミュニティ(ブログコメント、SNSグループ)
患者会や地域のサポートグループ
家族や友人の理解と協力
私のシステムは、私の人生経験、職業、価値観から生まれたものです。あなたには、あなた自身のシステムが必要です。
問いかけてみてください:
私にとって、炭水化物に代わる「報酬」は何だろう?
私の生活の中で、糖質制限を楽にできる「環境」はどう作れる?
私が続けやすい「ルーティン」は何だろう?
私を支えてくれる「仲間」や「情報源」はどこにある?
答えは人それぞれです。大切なのは、自分に合った方法を見つけることです。
最後に、一人の患者・実践者として、医療システムへの提言を述べたいと思います。
糖質制限の効果は科学的に実証されています。ADA(アメリカ糖尿病学会)も2026年のガイドラインで、糖質制限食を「2型糖尿病予防」のための正式な選択肢として推奨しました。
しかし、どんなに効果的な治療法でも、継続できなければ意味がありません。
現状の問題: 医療システムは「介入の処方」はするが、「継続の設計」をしていません。患者は「糖質制限をしてください」と言われるだけで、その後のサポートはほとんどありません。
以下のような包括的なサポートシステムが必要だと考えます:
1. 管理栄養士の継続的関与
初回指導だけでなく、定期的なフォローアップ
個別の生活状況に合わせたカスタマイズ
料理教室や実践的なスキルトレーニング
現状: 管理栄養士による継続的な教育を受けている患者はわずか数パーセント
2. 経済的支援
糖質制限に適した食材の購入補助
低所得者への食材宅配サービス
糖質制限食品の医療費控除対象化
理由: コストは継続を断念する主要な理由の一つ
3. 教育プログラムの充実
料理教室(基本的な調理技術から)
栄養学の基礎講座
外食時の選択方法
家族向けの理解促進セミナー
4. コミュニティ形成の支援
患者同士の交流の場
オンラインサポートグループ
経験者によるピアサポート
5. 社会環境の整備
レストランでの低糖質メニューの拡充
コンビニでの糖質制限食品の充実
職場での理解促進(社員食堂など)
学校給食での対応
糖質制限の継続には、医療者と患者の協働が不可欠です:
医療者: 科学的知見の提供、医学的サポート、システムの整備
患者: 実践知の共有、課題のフィードバック、互いの支え合い
私が江部先生のブログに寄稿を続けているのも、この「患者からのフィードバック」の一環です。実践者の声が、医療を改善する力になると信じています。
理想的な医療システムが整うには、まだ時間がかかるでしょう。でも、それを待つ必要はありません。
今、あなたにできること:
自分なりの「継続のシステム」を作り始める
小さな一歩から始める
仲間を見つける
知識を得る
完璧を目指さず、継続を目指す
13年前、糖質制限を始めた時、私もこれほど長く続けられるとは思っていませんでした。
続けられたのは、特別な意志の強さがあったからではありません。たまたま、料理ができて、農業をしていて、学ぶことが好きで、オスティナートという哲学を持っていた。そして何より、江部先生のブログという「知識とコミュニティの場」に出会えたからです。
つまり、環境が整っていたのです。
「人は意志の力で行動を変えるのではない。環境が変われば、行動は自然と変わる。」
この文章が、糖質制限を続けようとしている方々の「環境づくり」のヒントになれば幸いです。
あなたなりの「継続のシステム」を、少しずつ作っていってください。完璧である必要はありません。大切なのは、続けることです。
オスティナートの精神で、一歩ずつ、繰り返し、前に進んでいきましょう。
オスティナート:イタリア語で「頑固な」「しつこい」を意味し、
音楽用語で 同じ音型を執拗(しつよう)に繰り返す技法
ペンネーム:オスティナート(Artfarmer)
Artfarm Ostinato 主宰 宮城県仙台市在住、71歳
経歴: 音楽活動を経てレストランを経営。2011年東日本大震災の後農業の道へ。現在はエルサレムアーティチョーク(菊芋)とハーブの栽培を中心に、小規模農業を営む。
糖質制限との関わり: 13年前に健康上の理由から糖質制限を開始。江部康二医師のブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」を13年間読み続け、生化学・栄養学を独学。現在は江部医師のブログに定期的に寄稿し、科学的知見の解説や実践的アドバイスを共有している。
哲学: 「オスティナート(執拗な反復)」を人生哲学とし、「実践が理論に優先する。行動が計画に優先する。完成が完璧に優先する。」をモットーに、日々の小さな積み重ねを大切にしている。
ウェブサイト: Artfarm Ostinato - https://sites.google.com/view/ostinatoink
免責事項 この文章は、糖質制限を実践する方々への情報提供を目的としています。 医療行為や診断を目的とするものではありません。 食事療法を始める際は、必ず医師にご相談ください。
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